書評・最新書評

美しい日本語 [著]中村明

[評者]

[掲載]2014年11月30日

[ジャンル]人文

表紙画像

 作家の文体研究や、日本語の「語感」の考察で知られる著者が、俳句、和歌、詩、歌謡などに表現された日本人の季節感についてつづった随筆。なじみ深い句や歌から、ことばで表された四季の感覚の世界へと誘われる。
 春の章でひくのは、「水温(ぬる)む静かに思ふことのあり」(星野立子)や「ちぐはぐの下駄から春は立ちにけり」(一茶)。季節の移ろいを感覚よりも気分でとらえる日本人の心向きを語る。冬の章では、粉雪、牡丹(ぼたん)雪、雪見酒など日本語の「雪」の語彙(ごい)の豊かさを指摘し、「雪」という語が、猫がこたつで丸くなっている光景を連想させるようになったきっかけ、小学唱歌「雪」の魅力に触れる。
    ◇
青土社・2376円

関連記事

ページトップへ戻る