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原発利権を追う—電力をめぐるカネと権力の構造 [著]朝日新聞特別報道部

[評者]

[掲載]2014年12月14日

[ジャンル]社会

表紙画像

 原発を巡る裏資金の流れは、検察や国税当局も解明しきれなかった。本書はその実態に迫った。ほとんど表に出てこなかった「東電の影」と呼ばれるキーマンの素顔を描き、再稼働する見通しの川内原発を抱える九州電力の支配構造を掘り下げている。
 記者たちは10年以上取材を重ねたが、保秘の壁は厚かった。しかし東日本大震災と原発事故後、東京電力元社員は「これ以上ウソはつきたくない」と口を開いた。関西電力元副社長は、代々の首相に現金を渡す様子など、政官界工作を証言した。
 原発停止によるコストを論じるなら、電気料金に上乗せしてきた「裏のコスト」をも明らかにすべきだ、というのが本書の立場だ。
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朝日新聞出版・1620円




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