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ペテン師と天才—佐村河内事件の全貌 [著]神山典士

[評者]

[掲載]2015年01月25日

[ジャンル]社会

表紙画像

 著者は、ほぼ1年前の「週刊文春」に掲載された「全聾(ろう)の作曲家佐村河内守はペテン師だった!」のメインライター。タイトルの「天才」は、“現代のベートーベン”が創ったとされてきた音楽の真の作曲家、新垣隆氏を指している。
 虚名のもと、足かけ18年に及んだ2人の関係が壊れる直接のきっかけは、右ひじから先がないバイオリン少女「みっくん」一家とのあつれきだった。少女の素直な思いに照射され、悪と善、虚と実へとおのずと分かれていく様子がメールのやりとりを通し克明に再現されている。突然光の中へ躍り出て、不思議なブレークを見せた内気な天才の魅力と弱点についても、いいあんばいで押さえてある。
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文芸春秋・1620円

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