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おなかの赤ちゃんは光を感じるか—生物時計とメラノプシン [著]太田英伸

[評者]

[掲載]2015年01月25日

[ジャンル]科学・生物

表紙画像

 著者は国立精神・神経医療研究センターの研究者。胎児の視覚の意外な秘密が次々に明かされる。暗い子宮の中で胎児のまぶたは妊娠6カ月ごろから開く。ところが少なくとも妊娠中期から、目ではなく脳で外の光を感じ、成長に役立てているという。母親の目から脳に外の光の情報が伝わり、夜間になるとあるホルモンが分泌され、胎盤を通して胎児に運ばれる。すると胎児は「いまはよるなんだ」と感じるわけだ。
 早産児は昼と夜を人工的に作って育てた方が、同じ明るさで育てるより体重が増えやすいことを、著者は実験で突きとめた。生物時計を光で操作し、早産児を満産の赤ちゃんと同じように育てる保育器が究極の夢だ。
    ◇
岩波科学ライブラリー・1404円

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