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ドファララ門 [著]山下洋輔

[評者]

[掲載]2015年02月01日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 近代日本の監獄を建築した祖父ら父系を探求した『ドバラダ門』(1990年)に続き今回は、母方の「小山家」に音楽のDNAを探求する。明治末生まれの母・菊代はピアノで兄のフルートと合奏するような家に育ち、婚家にアップライトのピアノを持ち込んで洋輔は物心つく前から鍵盤に親しむ……のだが、ジャズマンの筆は明治と現代を行きつ戻りつ、時空を超え、旋律をずらし、転調して脱線また脱線。登場人物「のべ三百三十六人」にのぼる大シンフォニーを奏でるのだ。中で反復する主旋律は、自身が音楽を愛し、音楽を愛する息子たちの生き方を見守り、大勢に朝食を食べさせる母の姿。ドファララ門は、日本ジャズへの門でもあった。
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 晶文社・2160円

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