書評・最新書評

昭和の結婚 [編]小泉和子

[評者]三浦しをん(作家)

[掲載]2015年02月08日

[ジャンル]人文

表紙画像

■制度や法律が及ぼす影響

 結婚式や婚礼衣裳(いしょう)は、戦前・戦中・戦後でどう変遷したのか。戦前の農村では、どういう結婚が多かったのかなど、結婚にまつわるあれこれについて、多角的に検証し紹介した本。
 超豪華な嫁入り道具や、戦前の婦人雑誌に掲載された「新婚さんの一日」的グラビアといった、興味深い図版が多数載っている。当時の雑誌によると、「お寝坊旦那様」を「穏やかに親切に」起こせとのことで、「無理でございます!」と思いました。
 楽しく写真を眺めつつ、制度や法律が人々の考えかたにいかに影響を及ぼすのか、具体的に知ることができるつくりになっている。「好きなひとと結婚するのがあたりまえ」と多くのひとが認識している現在は、とてもいい時代なのだ。
 今後も、より多様で自由な「結婚」のありかたを追求できる社会を築くことが、各人の幸せのために、とても重要だと感じた。身近な疑問や問題を掘り下げる資料として、貴重な一冊。
    ◇
 河出書房新社・1998円

関連記事

ページトップへ戻る