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ニッポンの裁判 [著]瀬木比呂志

[評者]

[掲載]2015年03月22日

[ジャンル]政治 社会

表紙画像

 帯に「明日はあなたも殺人犯!!」とある。まさかと思いつつ、本書で紹介される恵庭OL殺人事件の再審請求棄却決定(札幌地裁)の認定を読むと、著者ならずとも「可能性に可能性を重ね、無理に無理を重ね、何としてでも『有罪』という結論に到達しようと、なりふり構わず突き進んでいる印象」がわいてくる。刑事系裁判官の多数派は「検察寄り」で「『推定無罪』ではなく、『推定有罪』の傾向が強い」と指摘する。裁判官を33年間務めたのち、研究者に転身した著者の指摘は刑事裁判批判にとどまらない。前著『絶望の裁判所』に続き、経験した者のみが語ることのできる重みがある。裁判所の反論が聞きたい。
    ◇
 講談社現代新書・907円

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