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風俗で働いたら人生変わったwww [著]水嶋かおりん

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)

[掲載]2015年04月12日

[ジャンル]政治 社会

表紙画像

■売春「非犯罪化」でリスク抑止

 まとめサイトのようなタイトルだが中身は濃厚。風俗嬢である著者が、風俗業界の生態系を構造的に描き出す。著者は、風俗嬢という職業一般が「性の被害者」であるかのような語りを一笑に付し、逆に風俗嬢の「面白さ」を強調。「女にはいざとなったら風俗がある」といった語りにも異議を唱える。事実、風俗産業はハードなサービス業であり、高度なスキルも求められる。「女ならだれでも勤まる」なんて単純なものではない。
 著者は、風俗嬢のあいまいな法的位置づけについて疑義を唱え、トラブルやリスクを抑えるためにこそ、売春の「非犯罪化」を行うべきだと主張。他の労働一般と比べて、風俗業界の課題が語りづらい状況があるなら、そこには紛れもない「差別」があるのだと。一方で、風俗業界内でも「格差」の開きがあり、労働環境の改善も必要となっているという。風俗嬢を「いまなお弱い存在」としている社会的位置づけを見直すきっかけにしてほしい。
    ◇
 コア新書・850円


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