「電車道」書評 鉄道開発の歴史を伴走者に
評者: / 朝⽇新聞掲載:2015年05月10日
電車道
著者:磯崎 憲一郎
出版社:新潮社
ジャンル:小説・文学
ISBN: 9784103177128
発売⽇: 2015/02/27
サイズ: 20cm/248p
電車道 [著]磯崎憲一郎
タイトルの通り、鉄道開発の歴史を伴走者にして、近代から現代へと流れる日本の100年の時を描いた長編小説だ。産業が興り、インフラが整備される。大地震、大恐慌、病気、戦争。躍進と災厄の中、鉄道のレールは延びていく。
「すべての人間はいつかは死すべき運命にある」。親たちは死ぬ。だが、子は恋をして親となる。苦悩する。歴史も人生も繰り返し続いていく。そのうねりが小説になった。