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汽車ポッポ判事の鉄道と戦争 [著]ゆたかはじめ

[評者]

[掲載]2015年06月07日

[ジャンル]歴史 文芸 ノンフィクション・評伝

表紙画像

 1928(昭和3)年、東京生まれの著者の家は、東京駅が炎上した45年5月25日の大空襲で焼けたという。戦争中、父の赴任先の長崎からの帰り、乗った汽車が機銃掃射を受け、間一髪。原爆投下直後の長崎で、難を逃れた列車が負傷者の救援に動く。終戦のラジオ放送を聞いて、いつも通り動く山手線に乗る……鉄路とともにあった戦争体験が記憶に鮮やかだ。
 戦後、判事になり、国鉄全線を踏破。機会があれば営業線でないレールにも。「鉄道は、平和でなくては走り続けられない」と実感したのは、移住した沖縄で、軽便鉄道の遺跡が戦跡と重なるのを見てからだ。いまは沖縄に路面電車トラムを、と提案している。
    ◇
 弦書房・1944円

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