書評・最新書評

ティーンズ・エッジ・ロックンロール [著]熊谷達也

[評者]

[掲載]2015年06月21日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 『リアスの子』『微睡(まどろ)みの海』で宮城県気仙沼市をモデルにした仙河海(せんがうみ)市を舞台に、東日本大震災以前の日常を描いてきた著者の最新作。同じ港町で夢を追う少年少女の青春がまぶしい。
 友人と始めたバンドを解散した16歳のギタリスト庄司匠。高校の軽音楽部で出会った二つ上の先輩・宮藤遥が気になって仕方ない。どこか近寄りがたいが魅力的な彼女に刺激され、「この街に足りないもの」を自分たちで創ることに決めて……。
 ライブでの高揚や不器用な恋愛。気さくな大人たちに見守られて過ごすさわやかな毎日を終盤、大津波が襲う。変わり果てた風景を前に、2人が交わす何げない会話が胸を打つ。
    ◇
 実業之日本社・1836円

関連記事

ページトップへ戻る