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涙のあとは乾く [著]キャサリン・ジェーン・フィッシャー

[評者]

[掲載]2015年06月28日

[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

表紙画像

 横須賀の米軍基地近くのバーでボーイフレンドを待っていたオーストラリア人女性は、見知らぬ米兵に「クスリを盛られ」、駐車場でレイプされる。迅速に証拠を採取することもしない「無神経な警察官たち」。理由は明かされないまま、不起訴になった犯人。彼女の起こした民事訴訟の途中で犯人は米国に帰国し、行方が知れない。自らの身に起こった「不正義」にどう立ち向かうか。これは、レイプ被害者本人が名前を明かして記録した勇気あるノンフィクションだ。
 米兵による事件は後を絶たない。精神的にも経済的にも追い詰められながら、正義の実現を求め続けた彼女の戦いから目をそらしてはいけないと強く感じた。
    ◇
 井上里訳、講談社・1728円



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