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アメリカ黒人とキリスト教 [著]黒崎真

[評者]

[掲載]2015年07月26日

[ジャンル]社会

表紙画像

 西洋人の奴隷貿易によって連れ去られる16世紀初頭まで、西アフリカに暮らす黒人の多くは民族固有の宗教も保持したイスラム教徒だった。彼らは家族と引き裂かれ、人間性も伝統文化も奪われ、従来の信仰はキリスト教と融合したという。過酷な過去から今日に至るまで、キリスト教は黒人を解放する宗教なのか、それとも抑圧する道具なのか。本書は米国の奴隷制時代の葛藤や南北戦争後の新たな差別、公民権運動やブラック・パワー運動、今日の貧困層の黒人教会への不信や若者のイスラムへの接近などの経緯を子細にたどり、米国の黒人とキリスト教との複雑な関係を、黒人霊歌やヒップホップの役割などにも言及しながら読み解く。
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 神田外語大学出版局・3024円

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