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隔離の記憶 ハンセン病といのちと希望と [著]高木智子

[評者]

[掲載]2015年08月30日

[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

表紙画像

 「人生に絶望はないよ」「どう立ち上がるかが、人生、大事じゃなかとね」。ハンセン病だった人たちが、「とてつもない犠牲と、苦労、悲しみ」を抱えながら、前を向いて歩く中で発した言葉だ。
 特効薬ができた後も、日本では「らい予防法」が廃止される1996年まで、強制隔離政策が続いた。96年に新聞記者となった著者は、彼らの強さと優しさ、「まっすぐな言葉に、はっとさせられ、勇気づけられ」、身の回りで起きる出来事や、そばで見た喜怒哀楽を書き続けてきた。ふるさとを追われ、名前を奪われ、「いのちひとつで」生きた人たちが里帰りし、本名を取り戻す姿も著者は見守る。そして「すべての人生は再生できる」と書く。
    ◇
彩流社・2700円

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