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大江戸商い白書—数量分析が解き明かす商人の真実 [著]山室恭子

[評者]

[掲載]2015年09月06日

[ジャンル]歴史 経済 社会

表紙画像

 江戸の町には、米や炭を扱ういわばコンビニから、リサイクルショップや外食産業まで小さな店がひしめいていた——4千人近い商人のデータを徹底的に分析し、生き生きとした「ふだんぎの江戸」を立ち現れさせることに成功した。その町並みには、どこか昭和の記憶につながる香りも漂う。
 分析手法はシンプルかつ精密だ。商売が続いた年数は? 店の営業権が動く原理は血縁か金銭か? 筆者が問いを立て、探究する過程を、読者は追体験できる。
 文献にわずかに名前をとどめる商人たち一人ひとりの顔が見えてくる一方で、流動性が高い社会の姿や、完全競争市場ともいえる経済の構造も解き明かされている。
    ◇
講談社選書メチエ・1728円

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