書評・最新書評

なぜ、習近平は激怒したのか―人気漫画家が亡命した理由 [著]高口康太

[評者]

[掲載]2015年09月20日

[ジャンル]歴史 政治

表紙画像

 中国の政治風刺漫画家で日本に事実上、亡命中の王立銘さん(ペンネーム・辣椒〈ラージャオ〉)の作品と語りを誘い水に、習近平(シーチンピン)体制前後の言論状況や背後にある社会構造を描く。ポップで骨太な現代中国の解説だ。
 世論形成の中核を占めるネット陣地取りの攻防を、高速鉄道事故や長江客船沈没事故、御用ブロガーの養成や弁護士ら活動家200人の逮捕劇など具体例から検証する。21世紀のメディア合戦で、権力側が優勢に立つ土壌は、「君主」と「愚民」の共犯関係を安定の基礎としてきた数千年の歴史にある——。そう指摘する最終章まで一気に読んだ。中国・新興国情報のニュースサイトを運営する著者のネット肌感覚が生きている。
    ◇
 祥伝社新書・864円

関連記事

ページトップへ戻る