書評・最新書評

なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか [著]田口理穂

[評者]ニュース

[掲載]2015年10月04日

[ジャンル]科学・生物

表紙画像

■開発と省エネ、自治体がリード

 日本では失敗と「誤報」されることも多いドイツのエネルギーシフト。だが、2014年の総電力消費における再生可能エネルギー比率は26・2%、他の電源を抜いてトップに立った。本書は、その秘密を解き明かしてくれる。
 カギを握るのは、住宅と公共施設の省エネだ。ハノーバー市では市が主導し新築の3割がパッシブハウス(太陽光と自然の熱を取り入れ、断熱をしっかり行う建物。暖房エネルギー消費を8割方削減できる)になった。条例で公共施設のパッシブ化も進める。
 日本の自治体の参考になるのは、ドイツの自治体が「エネルギー公社」を保有している点だ。そこに技術、制度、政策に習熟した専門家集団がいるため、省エネ、再エネ開発、電力と副産物の熱の併給といった独自政策に取り組める。
 もちろん、抱える課題も詳しく取り上げられている。しかし自治体がしっかりイニシアチブを取り、市民がそれを支持する限り、ドイツは今後も前進し続けるだろう。
    ◇
 学芸出版社・2160円

関連記事

ページトップへ戻る