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黒澤明と三船敏郎 [著]ステュアート・ガルブレイス4世

[評者]

[掲載]2015年11月15日

[ジャンル]アート・ファッション・芸能

表紙画像

 敗戦の翌年に出会って以来、2人合わせて150作もの映画を作ったという「世界のクロサワ」と「世界のミフネ」。その名声の陰に苦労が多かった2人の仕事と生涯を、米国の映画評論家の目で詳細に追った分厚い評伝だ。家族や仕事仲間からレアな証言や逸話を聞き出し、「羅生門」「七人の侍」など多くの作品の細部を論評しながら戦後の日本映画の盛衰、晩年に至る2人の悲喜こもごもを冷静に描き出す。文献が乏しいという三船だが、「どんな仕事も引き受けた」彼の背景にも迫る。豊富な資料から、往時の日米の異なる映画評、ハリウッドの価値観による偏見などもわかって興味深く、希代の映画人の人生と魅力が伝わってくる。
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 櫻井英里子訳、亜紀書房・6480円

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