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認知症新時代―私らしく生きる [著]毎日新聞生活報道部

[評者]

[掲載]2015年11月22日

[ジャンル]医学・福祉

表紙画像

 今後10年ほどで700万人になると見込まれている認知症の高齢者。「認知症になったらなにも分からなくなる」「ああはなりたくない」。そんな社会の偏見や思い込みを解きほぐそうと、本書では本人の声を丹念に拾い、あるべき社会の方向性も示す。はがれ落ちていく記憶や、徐々に困難になる日常生活に悩み疲れ、身内からは、それを注意される。「徘徊(はいかい)」と言われ、あてどなく歩き回っているように見える行動も、本人にはきちんとした目的や理由がある。理解されない彼らは寄る辺なさを抱え傷ついているのだ。超高齢社会を乗り越えられるかどうかは、認知症を正確に理解し受け止める社会の寛容さにかかっている。
    ◇
 毎日新聞出版・1404円

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