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清水ミチコ、酒井順子『「芸」と「能」』書評 「芸能」をめぐる掛け合いエッセー

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2015年12月13日
「芸」と「能」 著者:清水 ミチコ 出版社:幻冬舎 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション

ISBN: 9784344028395
発売⽇: 2015/10/22
サイズ: 19cm/205p

「芸」と「能」 [著]清水ミチコ、酒井順子

 「話芸」と「文芸」の2人による、「芸能」をめぐる掛け合いエッセー。「人生において紅白歌合戦を見逃したことが無い」酒井さんは、清水さんがその年の紅白をどう見ているかがいつも気になり、ユーミンを聞けば、清水さんが演じる「ユーミソ」を思い出す。「モノマネとはすなわち、文章の世界で言うなら『評論』です」という。清水さんは、声は人をよく表し、「発声の仕方というのか、ちょっとしたところに性格が出る」という。化粧や自撮りなど、自意識をめぐる話も多い。2人が好きなのは、サラッとして自己顕示欲が薄く、吹く風が軽い芸。「ベテランのジャズミュージシャンのプレイ」や「田舎のおばあちゃんの料理」だそうだ。
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幻冬舎・1404円