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アンドロイドは人間になれるか [著]石黒浩

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)

[掲載]2016年02月14日

[ジャンル]社会

表紙画像

■ロボットと「交流」、自ら実験台

 石黒浩は型破りの研究者だ。マツコ・デラックスのそっくりロボット製作者として御存知(ごぞんじ)の方も多いかもしれない。あれが彼のやり方である。人間そっくりのロボット(ジェミノイド)を作り、それらと生身の人間が関わるときにどんな反応が生じるか、それを分析することで「人間とは何か?」を模索、追求する。こんな方法をとっている研究者は、世界で彼だけだ。
 石黒が思い描くのは、ロボットが普及し、人間と共存する社会である。そのとき、社会は、人間は、どのように変わるのか。自分自身も実験台になり、ジェミノイドと「交流」するときの感覚や心理について、実感を込めた報告がなされていく。
 本書は石黒の語りを編集したもので、本人の文章がもつ独特の生々しさはないけれど、その分、良い意味で毒抜きがされていて読みやすい。内容はいつものごとく、独断と偏見に満ちた石黒ワールド全開である(褒め言葉です)。他の石黒本への良い入門書だ。
    ◇
 文春新書・788円


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