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「平成の大合併」の政治経済学 [著]中澤克佳、宮下量久

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)

[掲載]2016年09月04日

[ジャンル]政治 経済

表紙画像

 1999年に始まった平成の大合併で、自治体数は3229から1727に激減。明治、昭和に次ぐ第3の大規模合併となった。行政を効率化すると喧伝(けんでん)されたが、実際はどうだったのか。本書は、データに基づく実証的な検証を行う。
 まず、自治体にとって合併に向けた財政支援措置が、大きなインセンティブになったことを明らかにする。だが、そのことは逆に合併自治体の財政規律を弛緩(しかん)させた。合併自治体は、地方債残高を非合併自治体よりも増加させたからだ。その財源は地方交付税で賄われる。つまり、非合併自治体の住民にも、膨張した費用のツケは回るのだ。しかも当初の想定と異なって、行政費用の効率化はもたらされなかったという。
 大合併は結局、失敗だったのか。著者らは結論を急がず、さらに長い目でみる必要性も指摘する。とはいえ、合併の定量的な中間評価が今後の議論の土台となることは間違いない。貴重な成果を歓迎したい。

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