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ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす―ビッグデータの残酷な現実 [著]C・ラダー

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)

[掲載]2016年10月09日

[ジャンル]科学・生物

表紙画像

 著者は出会いサイトの運営者、邦題は安っぽいハウツー本のようとくれば、いかがわしい本と思われるかもしれないが、あにはからんや、中身はいたって真っ当なデータサイエンスの入門書だ。統計や手法の詳細には触れられていないが、ほとんどは学術専門論文として発表した内容にもとづいているという。
 インターネットの普及によって、今までとは比べものにならない膨大な規模のデータを分析することが可能になり、社会や人間のいろいろな事柄について、新たな発見がなされている。著者は、このようなビッグデータ処理について良い面と悪い面を冷静に考察し、人道的な緩やかな介入が可能であると主張している。
 インターネットを怖がっているだけでも、楽しんでいるだけでも、明るい未来はやってこないのだ。この巨大な情報の世界をぼくたちがどのように使いこなしていくのか、今、人類の英知が問われていると思わされる。

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