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沖縄の乱―燃える癒しの島 [著]野里洋

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)

[掲載]2016年10月30日

[ジャンル]政治 社会

表紙画像

 沖縄はいま怒っている。米軍統治時代に移住し、長年沖縄を見つめてきた著者が、その理由をわかりやすく説く。普天間飛行場移設問題を核に、第2次大戦から現在までの状況を顧み、政治家や識者らの発言を分析、沖縄の経験をそれぞれ異なる立場から考察する。
 米軍の沖縄での激戦経験と尾を引く占領意識、土地強制接収の経緯や日米地位協定による法律の壁、現地を知らない為政者や高官との齟齬(そご)。難しい問題をアクセス可能にするのは、地元住民ならではの具体性と明確な主張、感情に流されない平明で客観的な文章だ。
 ウチナーンチュは怒るだけでなく、笑ってもいる。ハワイ生まれの沖縄二世作家J・シロタ原作の真珠湾攻撃を扱った喜劇は、米国で高く評価された。交渉を避けていては異文化折衝の現場で立場を失う、大国にもまれてきた日本最南県はそれをよく知っている。激変する世界で米軍も、沖縄基地の意味も変化している。目を開いて考え続けたい。

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