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「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす [著]佐光紀子

[評者]佐伯一麦 (作家)

[掲載]2018年01月21日

[ジャンル]社会

表紙画像

 日本の男性が家事を分担する割合は世界平均の半分以下である、との耳の痛い指摘が冒頭にある。戦後の高度経済成長を支えた専業主婦願望もいまだに根深く、女性は家事をきちんとこなさなければならない、というプレッシャーが日本社会には広く深く浸透している、と著者は見る。
 穏やかならざる書名だが、要は家事は人が生活していく手段であり、それを過度に目的化することの弊害を様々な事例の考察によって説いている本である。中でも日本の部屋が片付かないのは和洋折衷のライフスタイルにあるという指摘には目を見開かされた。
 タオルの畳み方や皿洗いの仕方の違いなどから夫婦の諍(いさか)いにもなるが、互いにゆだねた以上は相手のやり方に文句を言わない、とするのには強く納得。日本的な世間という“巨大な舅姑(きゅうこ)”のいいなりにならないためにも、本書を手がかりとして、現代に合った家事のルールを夫婦で決めてはどうだろうか。

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