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すゞしろ日記―参 [著]山口晃

[評者]椹木野衣 (美術評論家)

[掲載]2018年03月18日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 すずしろ、とは大根のこと。他に由来があるのかもしれないが、もう3巻目なので触れられていない。当て推量で言えば大根の余白が短冊に似ているからか。その白地によしなしごとを書きつける著者の画文は本巻でいよいよ飄々(ひょうひょう)として、時に原稿を落としかねない実験精神に満ちている。
 今つい画文と書いたが、実は圧倒的に文字が多い。頁(ページ)によっては一瞬「これ全部読むのか……」とたじろぐ。日記なら当然と言われそうだが、著者の本業は絵描きだ。ところが中身はほぼ終始一貫文字が率先していて、絵はむしろ絶妙な合いの手を入れるかのよう。帯の売り文句に「エッセー漫画」とあるけれど、むしろ音楽で言うラップとDJの掛け合いが近い。手書きの譜面と言ってもいい。実験精神に寄せて言えばさしずめ図形楽譜か。
 筆者はかねて山口晃の美術の芯は表現ではなく「設計」にあると考えてきた。その設計力は本書でも遺憾なく発揮されている。

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