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「絶滅危惧職種図鑑」 宇宙飛行士に弁護士、ユーチューバーも絶滅寸前⁉️

 「AI(人工知能)に仕事を奪われる」といわれている近い将来。気になる図鑑を見つけました。その名も「絶滅危惧職種図鑑」。

 本書は、自身も40職種以上を経験してきたという実業家の七里信一さんが「絶滅危惧職種=稼げない職業」と定義づけ、今後なくなるであろう65の職種を厳選して紹介。時代の最先端を行っているようなユーチューバーやVチューバーですら、著者の七里信一さんに言わせれば「絶滅危惧職種」なんだとか。

 七里さんは「稼げない職業をやらない」というポリシーで転職を繰り返した経験から、絶滅する職業の6つの原則を見出したといいます。プロローグでは、AIの発達をはじめ、個人の繋がり、新技術や道具の進化など、職業が絶滅する6つの理由について紹介。本章では、絶滅危惧職種を「生活を支える仕事」「専門的な仕事」「店舗で働く仕事」「娯楽・メディアに関わる仕事」「公的な仕事」「アングラな仕事」の6つに分類して取り上げ、それぞれの職業について、どんな仕事なのか、その絶滅の理由、今後どうなっていくのかを解説しています。

 ブックサイト「好書好日」のライターとしては、「書店員」が絶滅危惧職種にリストアップされているのが気になるところ。電子書籍の普及が絶滅理由に挙げられていますが、「紙で手元に置いておきたい本だってまだまだあるぞ!」「書店員さんのキュレーション力があるからこそ出会える本だってある!」などと、反論やツッコミを入れながら読むのも楽しいかもしれません。

 本書で紹介されている職種が絶滅するにせよ生き残るにせよ、自分の職業を振り返りつつ、これからの時代、どう働いていくかを改めて考えさせてくれる一冊です。