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僧侶・中川学さん「榲めろに目鼻のつく話」 泉鏡花の作品を絵本に

中川学さん

 京都・瑞泉寺(ずいせんじ)の住職をしながらイラストレーターとしても活動している。今春、文豪・泉鏡花の作品を絵本化した「榲めろ(まるめろ)に目鼻のつく話」(河出書房新社)を出した。
 中学時代からの鏡花好き。2008年に東京で開いた個展のため、鏡花の短編「龍潭譚(りゅうたんだん)」を描き、その後も「化鳥(けちょう)」「朱日記(しゅにっき)」と3冊を刊行した。「鏡花のおかげでイラストレーターとして世間に知ってもらえた。恩返しがしたい」。金沢・泉鏡花記念館の学芸員にアドバイスを求め、選んだのが「榲めろ~」だった。
 1920(大正9)年発表の本作は全集には収録されたものの、長らく埋もれていた短編。鏡花の生家に近い神社や〈暗がり坂〉を舞台に、妖しくも儚(はかな)い物語が紡がれる。
 「読んだ人の頭のなかで完成するのが鏡花の文章。イメージを限定しすぎないようにしつつ、浮かんだ情景をそのまま描こうと思いました」。パソコンとマウスで描くポップな画風。「いきなり文章からは入りづらいと思う人にとって、絵本が糸口になれたら」(山崎聡)=朝日新聞2018年4月4日掲載