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電子出版シェア33.5%、9年連続拡大 紙の販売額は2000年代の半分に 2023年市場規模

 出版科学研究所は、2023年の出版市場規模(紙と電子の合計)が前年比2.1%減の1兆5963億円だったと発表した。紙の出版物の落ち込みにともない、電子出版のシェアは33.5%と、電子の統計開始以来9年連続で拡大した。

 同研究所によると、書籍と雑誌を合わせた紙の出版物の推定販売金額は同6.0%減の1兆612億円。柴田恭平研究員は「00年代は2兆円を超える規模だったが今やその半分。もし24年も同程度減少すれば、1兆円を割り込むだろう」と話す。

 紙の書籍の推定販売金額は同4.7%減の6194億円。推定販売部数は同6.7%減の4億6405万冊で、1998年の同7.1%減に次ぐ減少幅を記録した。新刊平均価格は1305円。物価の高騰が続くなか、ついに1300円を突破した。

 紙の雑誌の推定販売金額は、同7.9%減の4418億円。週刊誌は同11.3%減で、5年ぶりに2桁減となった。発行部数は月刊誌、週刊誌ともに1割以上減少。創復刊点数は過去最低の25点だった。

 電子出版市場は同6.7%増の5351億円。そのうち電子コミックのシェアは90.3%で、初めて9割を超えた。

 電子コミックでは様々なストアが割引やポイントバックなどの施策や広告出稿に力を入れている一方、電子書籍ストアは「Kindle」の一強状態で、施策や広告は全体に低調だ。「漫画のストアが切磋琢磨(せっさたくま)しているのに比べて、書籍は競合関係があまりないため伸び悩んでいるのでは」と柴田研究員はみる。(田中ゑれ奈)=朝日新聞2024年2月7日掲載