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更新日: 2016年07月17日2016年07月10日2016年07月03日

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2016年07月17日

大岡信の詩と真実 [編]菅野昭正

大岡信の詩と真実 [編]菅野昭正

■歴史を意識した詩人の多面性 大岡信といえば、「折々のうた」を思い浮かべる人は多いだろう。古代から現代までの詩歌をめぐるコラム。本紙朝刊に、一九七九年から二〇〇七年まで、多少の休筆期間をおきなが………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]文芸 

魔法の夜 [著]ティーヴン・ミルハウザー

魔法の夜 [著]ティーヴン・ミルハウザー

■昼間の自分を解き放つ月の光 ミルハウザーは月光の作家だ。陽光ではなく。夜中に屋根を散歩する『三つの小さな王国』のワンシーンは好例だが、人々のストレンジな行動が断章的に綴(つづ)られる本書も、同………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]文芸 

感じるスコラ哲学―存在と神を味わった中世 [著]山内志朗

感じるスコラ哲学―存在と神を味わった中世 [著]山内志朗

■聖女たちの官能的な法悦の理由 西洋の教会には、しばしば、「世俗的な人間の常識を破壊するほどの官能的な法悦」を示す聖女らの像が安置されている。信仰の場にふさわしくないとも受け取られかねない姿で。………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]人文 

人工地獄―現代アートと観客の政治学 [著]クレア・ビショップ

人工地獄―現代アートと観客の政治学 [著]クレア・ビショップ

■衝突、不和、政治性、みなアート 絵や彫刻などモノの制作を目的化しない参加型アートは、日本では芸術祭の興隆とともに注目されているが、世界的な傾向でもある。ただし、社会体制によって地域ごとに事情は………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝 

男子問題の時代?―錯綜するジェンダーと教育のポリティクス [著]多賀太

男子問題の時代?―錯綜するジェンダーと教育のポリティクス [著]多賀太

■男たちの「生きづらさ」を考える 「女性専用車は男性差別です」とプラカードを掲げて、女性専用車両に乗り込んでくる男性がまれにいる。なぜ、そんな不快なことをするのだろうか。それで自分の生きづらさが………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]教育 人文 社会 

丹下健三―戦後日本の構想者 [著]豊川斎赫

丹下健三―戦後日本の構想者 [著]豊川斎赫

■国家を描いた構想力とその呪縛 丹下健三の戦後は被爆した広島の復興事業への参画から始まった。平和国家建設の象徴となる広島平和記念公園を作り上げ、以後も東京五輪、大阪万博など国家的イベントに深く関………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書 

あゝ浅草オペラ―写真でたどる魅惑の「インチキ」歌劇 [著]小針侑起

あゝ浅草オペラ―写真でたどる魅惑の「インチキ」歌劇 [著]小針侑起

 本書のサブタイトルに「『インチキ』歌劇」とあるのだが、著者によるとこの語は昭和初期から使われていたそうだ。お高くとまった帝国劇場歌劇部に抗する意味、あるいは「ペラゴロ」と称する浅草オペラの熱狂………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

赤い刻印 [著]長岡弘樹

赤い刻印 [著]長岡弘樹

 巧妙な伏線の推理小説で知られる著者の新作は、持ち味が楽しめる短編集だ。 中3の菜月は、時効寸前の事件を捜査している刑事の母・啓子から、祖母が生きていると聞かされ会いに行く。「赤い刻印」は、何げ………[もっと読む]

[評者]末國善己
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]文芸 

2016年07月10日

ヒトラー (上)1889−1936傲慢 (下)1936−1945天罰 [著]イアン・カーショー

ヒトラー (上)1889−1936傲慢 (下)1936−1945天罰 [著]イアン・カーショー

■社会がつくった特異な扇動家 著者は「ナチズム研究」では国際的に名の知られた英国の研究者である。本書は20年近く前に刊行された大部の書だが、やっと邦訳が出た。 20世紀になぜヒトラーのような指導………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 

原発プロパガンダ [著]本間龍

原発プロパガンダ [著]本間龍

■巨額の広告費、メディアも陥落 原発に反対する人は国と電力会社を批判する。権力におもねって、正確な報道をしないメディアも批判する。では両者の間をつないでいるのは誰? 広告代理店である。特に上位2………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]社会 

ウィトゲンシュタイン『秘密の日記』―第一次世界大戦と『論理哲学論考』/ラスト・ライティングス [著]L・ウィトゲンシュタイン

ウィトゲンシュタイン『秘密の日記』―第一次世界大戦と『論理哲学論考』/ラスト・ライティングス [著]L・ウィトゲンシュタイン

■私的告白と思索の軌跡明らかに ウィトゲンシュタインの未刊行資料の公開が相次いでいる。 『秘密の日記』は第1次大戦中の従軍日記を訳出したものだが、哲学的考察について書かれた部分は先に公開されてお………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]人文 

遠読―〈世界文学システム〉への挑戦 [著]フランコ・モレッティ

遠読―〈世界文学システム〉への挑戦 [著]フランコ・モレッティ

■読み切れない本を読むために 世界中の文学作品全てに目を通すことができる人などいない。タイトルを把握するだけでも一生が終わってしまいかねない。 しかし、各人が手にとった本を精読し、きちんと情報を………[もっと読む]

[評者]円城 塔 (作家)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]文芸 

老生 [著]賈平凹

老生 [著]賈平凹

■無名の人々が紡ぐ現代の中国史 食べる、働く、病む、性交する、排泄(はいせつ)する。迎合しとり残され、利を得てまた失う。加害者にも被害者にもなり、とにかくその地で生きつづけ死につづける。 秦嶺山………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]文芸 

スノーデン・ショック―民主主義にひそむ監視の脅威 [著]デイヴィッド・ライアン

スノーデン・ショック―民主主義にひそむ監視の脅威 [著]デイヴィッド・ライアン

■自由の侵食、市民の力を弱める 民主社会がここまで監視と親密に共存できると誰が予想できただろう。 英作家オーウェルは約70年前の「1984年」で、監視を全体主義の象徴として描いた。主人公の男性は………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]社会 

自衛隊の闇 [著]大島千佳・NNNドキュメント取材班

自衛隊の闇 [著]大島千佳・NNNドキュメント取材班

 海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の乗組員がいじめを受けて自殺した事件で、遺族が自衛隊などに賠償を求めた裁判は8年間に及んだ。本書は、そのドキュメンタリーを制作したテレビディレクターの取材記録。丹………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]政治 社会 

貨幣の「新」世界史―ハンムラビ法典からビットコインまで [著]カビール・セガール

貨幣の「新」世界史―ハンムラビ法典からビットコインまで [著]カビール・セガール

 「お金の何が、私たちをここまで翻弄(ほんろう)するのだろう? お金には、人間をとんでもなく不合理な行動に駆り立ててしまう何かがある」。大手米銀で世界金融危機を体験した著者はそういった疑問を抱き………[もっと読む]

[評者]加藤出
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]経済 

2016年07月03日

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

■「科学とは何か?」への挑戦 科学とは何か? それはどのように発展し、その知識にはどのような特徴があるのか? ノーベル物理学賞を受賞したワインバーグは、科学知識そのものに注目し、いわば科学を「内………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]科学・生物 

ブラジルの光、家族の風景―大原治雄写真集 [著]大原治雄

ブラジルの光、家族の風景―大原治雄写真集 [著]大原治雄

■移民生活、正統なモダニズムで 仕事柄、旅先ではなるべく美術館に足を運ぶ。建築を見るためだ。高知県立美術館を訪れたとき、なんの予備知識もなく、ある写真家の作品と出会った。大原治雄は高知で生まれ育………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

昆虫の哲学 [著]ジャン=マルク・ドルーアン

昆虫の哲学 [著]ジャン=マルク・ドルーアン

■人間の鏡? 観察するほど不思議 昆虫についての話題はつきない。たとえばクモは昆虫かどうか、それぞれに意見があったりする。昆虫とは六本足のものであるからクモは違うと知っていてもそうなる。 本書に………[もっと読む]

[評者]円城 塔 (作家)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]科学・生物 

荒仏師 運慶 [著]梓澤要

荒仏師 運慶 [著]梓澤要

■働く意味や信仰とは何か問う 斬新かつ重厚な歴史小説に定評がある梓澤要の新作は、国宝の東大寺南大門の仁王像を快慶らと作った、仏師の運慶を描いている。 奈良仏師の棟梁(とうりょう)・康慶の嫡男(ち………[もっと読む]

[評者]末國善己
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]歴史 

不審者のデモクラシー―ラクラウの政治思想 [著]山本圭

不審者のデモクラシー―ラクラウの政治思想 [著]山本圭

■不確かな立場の人々つなぐのは エリートの手から「政治を人々の手に」取り戻す参加デモクラシー。しかし、実際にはそれは、自らの社会的な位置を自覚する理性的な個人だけのものとなっていないか。著者はそ………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]政治 社会 

認知資本主義―21世紀のポリティカル・エコノミー [編]山本泰三

認知資本主義―21世紀のポリティカル・エコノミー [編]山本泰三

■創造・知・ネットの時代の入門書 世界経済が混迷を深め、その先行きを見通せない不安からか、資本主義の本質を問う出版が相次ぐ。本書もその一つだ。「認知資本主義」とは耳慣れないが、経済を動かす力が、………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]経済 

太陽の肖像―文集 [著]奈良原一高

太陽の肖像―文集 [著]奈良原一高

 写真家になる予定はなかったのに、最初の写真展(1956)が彼の運命を決定した。緑なき人工島・軍艦島と、桜島噴火で埋没した黒神村を撮影、「人間の土地」という題で二部構成で展示。単純なドキュメント………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

ロマンティックあげない [著]松田青子

ロマンティックあげない [著]松田青子

 小気味いいテンポのお喋(しゃべ)りに、新鮮な批判精神が感じられるエッセイ集。話題はツイッターやネットニュース、アメリカのTVドラマや音楽、そして日々見聞きする、なぜか気になる小さなこと。映画館………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]文芸 

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