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更新日: 2017年03月19日2017年03月12日2017年03月05日

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2017年03月19日

春に散る(上・下) [著]沢木耕太郎/大鮃 [著]藤原新也

春に散る(上・下) [著]沢木耕太郎/大鮃 [著]藤原新也

■小説で問う「世代交代」の意味 日本のノンフィクション界を代表する二人が相前後して新作を刊行した。 『春に散る』は元ボクサー四人の物語。本紙連載を元とする作品だ。渡米していた一人の帰国から仲間が………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]文芸 

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

■闘争支えた国家構想、明晰に 本書は、足尾銅山で起きた鉱毒問題をめぐり、その解決に一生を捧げた田中正造の思想と行動を、非常に明晰(めいせき)な文体で解き明かした作品。今では想像しがたいが、銅は明………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]歴史 人文 

建築史とは何か [著]アンドリュー・リーチ

建築史とは何か [著]アンドリュー・リーチ

■あらゆる事象つなぐ知の交差点 20世紀の半ば、日本の建築家にとって古建築を学ぶことは、伝統を意識し、モダニズムに指針を与えることにつながった。またポストモダンの時代は、歴史建築の引用が流行し、………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]歴史 

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと [著]ウィリアム・パウンドストーン

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと [著]ウィリアム・パウンドストーン

■適切な「検索」、知識・能力が必要 アメリカ人、とくにミレニアル世代がどんどんバカになっている。いや、ぼくが言っているのではない、この本にそう書いてあるのだ。著者は高名な科学ライター、彼自身の調………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]経済 IT・コンピューター 

ポピュリズムとは何か―民主主義の敵か、改革の希望か [著]水島治郎

ポピュリズムとは何か―民主主義の敵か、改革の希望か [著]水島治郎

■世界で同時並行する現象を分析 政治学の世界というのは細かな分業から成り立っている。政治史の分野だけでも欧州や米国、日本などに分かれ、さらに欧州の中で英国やフランス、ドイツなどに分かれる。各国の………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]政治 社会 

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

■フィクションが導く科学の世界 ゴジラを中心に、怪獣を形態学的、進化発生生物学的に考察する本である。 形態学という言葉はあまり耳にしたことがないかもしれない。おおざっぱにいってしまえば、生き物の………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]科学・生物 

トランプがはじめた21世紀の南北戦争 [著]渡辺由佳里

トランプがはじめた21世紀の南北戦争 [著]渡辺由佳里

 米タイム誌は昨年12月、「今年の人物」にドナルド・トランプを選び、「The Divided States of America(分断国家アメリカ)の大統領」と呼んだ。 本書を読むと、同国の市民………[もっと読む]

[評者]加藤出 (東短リサーチチーフエコノミスト)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]政治 国際 

職人の近代―道具鍛冶千代鶴是秀の変容 [著]土田昇

職人の近代―道具鍛冶千代鶴是秀の変容 [著]土田昇

 やわらかにして鋭い。独特の文体は、刃物店の3代目店主として父から聞き知った逸話の下地に、あるスタイルを追求する意志が加わったものだろう。刀工の家に生まれた大工道具鍛冶(かじ)の名工・是秀(これ………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

2017年03月12日

徳川家康―われ一人腹を切て、万民を助くべし [著]笠谷和比古

徳川家康―われ一人腹を切て、万民を助くべし [著]笠谷和比古

■死後の体制転覆を恐れた理由 中華帝国や朝鮮王朝のように、儒教が体制を正当化するイデオロギーとして定着していれば、皇帝や国王は「天」から支配の正統性を与えられる。そこでは武力ではなく、儒教的な徳………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]歴史 

自分とは違った人たちとどう向き合うか―難民問題から考える [著]ジグムント・バウマン

自分とは違った人たちとどう向き合うか―難民問題から考える [著]ジグムント・バウマン

■排斥する側の論理と心理を分析 欧米を中心に広がる移民や難民の排斥。その背後にあるものを、グローバル化に伴う近代の「液状化」(リキッド・モダニティ)論で知られる社会学者が晩年の著でえぐり出す。 ………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]政治 社会 

自由貿易は私たちを幸せにするのか? [著]上村雄彦、首藤信彦、内田聖子ほか

自由貿易は私たちを幸せにするのか? [著]上村雄彦、首藤信彦、内田聖子ほか

■多国籍企業だけ利するTPP 政府は、TPPが貿易自由化により国民に成長と雇用増加をもたらすと喧伝(けんでん)してきた。負の影響は農業に限定されるとし、どう保護/開放すべきかにもっぱら焦点が当て………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]経済 

狩人の悪夢 [著]有栖川有栖

狩人の悪夢 [著]有栖川有栖

■謎解きと人間ドラマ美しく融合 犯罪社会学者の火村英生と著者と同名のミステリー作家(通称アリス)が、難事件に挑む人気シリーズの最新作は、著者の作品の中でも屈指の完成度である。 アリスは、ホラー作………[もっと読む]

[評者]末國善己 (文芸評論家)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]文芸 

こびとが打ち上げた小さなボール [著]チョ・セヒ

こびとが打ち上げた小さなボール [著]チョ・セヒ

■負の連鎖を断ち切るための祈り 長年、韓国と日本の文学の関係は非対称で、韓国は日本の文学を翻訳するが、日本は韓国の文学をあまり翻訳してこなかった。21世紀になってから状況は変化し、ここ5年ぐらい………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]文芸 

小説ライムライト―チャップリンの映画世界 [著]C・チャップリン、D・ロビンソン

小説ライムライト―チャップリンの映画世界 [著]C・チャップリン、D・ロビンソン

■人生の断面を見せ、物語は続く ひとりの女が自殺未遂を起こすところからこの物語は始まる。この不幸なバレリーナの病む魂と肉体を救った落ち目の老道化師との間で物語が醸成されていく。全ての物語には始ま………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

覗くモーテル 観察日誌 [著]ゲイ・タリーズ

覗くモーテル 観察日誌 [著]ゲイ・タリーズ

 覗(のぞ)き穴を作り、モーテル利用客の姿を20年以上も覗き続けた男がいた。本書は彼が記した観察日記を紹介しつつ、著者と希代の覗き魔との交流を描く。 一読して「ニュージャーナリズム」の時代の産物………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝 

シリア難民―人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 [著]パトリック・キングズレー

シリア難民―人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 [著]パトリック・キングズレー

 「人道の危機」が「政治の危機」にすり替えられていないか。大戦後最大の難民問題がいつの間にか、欧米の政治異変として語られている。難民排斥を叫ぶ政治家が報道の主役を占め、当の難民の姿が見えない。 ………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]政治 社会 

2017年03月05日

騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編 [著]村上春樹

騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編 [著]村上春樹

■「穴」にどっぷり、ハルキ入門編 で、結局、おもしろいんですか、どうなんですか? その質問に答えるのはとても難しい。村上春樹はいまや一作だけでは語れない作家になってしまったから。人気がありすぎる………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]文芸 

サザビーズで朝食を―競売人が明かす美とお金の物語 [著]フィリップ・フック

サザビーズで朝食を―競売人が明かす美とお金の物語 [著]フィリップ・フック

■巨大化する美術市場の内幕描く 世界の美術市場の取引高は、2005年の359億ドルから15年に638億ドルへと膨張した(Arts Economics調べ)。同期間に競売会社のクリスティーズとサザ………[もっと読む]

[評者]加藤出 (東短リサーチチーフエコノミスト)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

複数性のエコロジー―人間ならざるものの環境哲学 [著]篠原雅武

複数性のエコロジー―人間ならざるものの環境哲学 [著]篠原雅武

■「技術で解決」からの革命的転換 最近、現代思想関係者の間でティモシー・モートンの名を聞くようになった。邦訳書がまだない中で刊行された本書は、著者が自分の経験に照らし合わせてモートン思想の読解を………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]社会 

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

■あなたの思い出、本物ですか? 人間誰しも、自分の記憶力に自信を持っているものだ。メモなんて不要だと思いがちだし、自分の意見はずっと一貫しているとつい考える。 ここで、どうしてそう信じられるのか………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]医学・福祉 

縫わんばならん [著]古川真人

縫わんばならん [著]古川真人

■読みの積極性を試される快楽 企(たくら)みはひそかに仕掛けられている。だからこそ、騙(だま)されたように小説世界に身を委ねる心地よさだ。 三人の老女について語られる話が地味な印象を与えるのは否………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]文芸 

ヤズディの祈り [著]林典子

ヤズディの祈り [著]林典子

■未知の対象、想像する力鍛える 「ヤズディ」が何かを大方の人は知らないと思う。イラク北西部にいる少数民族で、独自の信仰と伝統を継承している。私も本書を読むまで知らなかったが、二〇一四年夏、彼らの………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会 

復興キュレーション―語りのオーナーシップで作り伝える“くじらまち” [著]加藤幸治

復興キュレーション―語りのオーナーシップで作り伝える“くじらまち” [著]加藤幸治

 膨大な犠牲者と建物の凄(すさ)まじい破壊が目立つために忘れられがちだが、3・11は地域の文化に多大な被害をもたらした。本書は文化被災の状況に対し、仙台に暮らす民俗学の研究者・学芸員が、ゼミ生ら………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]社会 

皇族と天皇 [著]浅見雅男

皇族と天皇 [著]浅見雅男

 室町から江戸期に成立した四親王家(ししんのうけ)(伏見、桂、有栖川、閑院)に加え、王政復古と前後して、六宮家(中川、山階、東伏見、華頂、北白川、梨本)が誕生した。慶応4年の太政官布告では、四親………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]歴史 経済 社会 

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