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更新日: 2016年05月29日2016年05月22日2016年05月15日

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2016年05月29日

センチメンタルな旅 [著]荒木経惟

センチメンタルな旅 [著]荒木経惟

■「嘘」なく心の震え留めた いつもはアジアの古美術展が多いパリのギメ東洋美術館で、荒木経惟の写真展が9月5日まで開催中だ。熱烈なファンであるキュレーターの企画らしい。 世界が注目する現代日本の小………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

大きな鳥にさらわれないよう [著]川上弘美

大きな鳥にさらわれないよう [著]川上弘美

■未来の人類、揺らぎに共鳴 滅亡の危機に直面する、未来の人類。川上弘美が長編小説『大きな鳥にさらわれないよう』で描くのは、数を減らした人類の生態とそれを取り巻くシステムだ。ネズミやイルカなど、さ………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]文芸 

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

■「現状維持」で良いはずがない 3・11は日本をほとんど変えなかった——これが著者の結論である。 希代の日本ウォッチャーが、日英両語の膨大な資料を渉猟し、国防、エネルギー政策、地方自治の三領域に………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 

アフガン・対テロ戦争の研究 タリバンはなぜ復活したのか [著]多谷千香子

アフガン・対テロ戦争の研究 タリバンはなぜ復活したのか [著]多谷千香子

■米国が見た「大それた夢」の失敗 9・11テロへの反撃としての、アフガニスタンへのアメリカの「対テロ戦争」は、世界に何をもたらしたか。アメリカの当初の目論見(もくろみ)に反して、アフガニスタンは………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際 

屋根裏の仏さま [著]ジュリー・オオツカ

屋根裏の仏さま [著]ジュリー・オオツカ

■「写真花嫁」の声紡ぎ、合唱曲に 一度に複数の声を、それもたくさんの声を、書き綴(つづ)ることはできるだろうか。集団としての「かれら」を記述するのではなく、それぞれが異なる経験を持ち、家族を持ち………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]文芸 

武者小路実篤とその世界 [著]直木孝次郎

武者小路実篤とその世界 [著]直木孝次郎

■90歳代でなお鋭い仮説を提起 直木孝次郎の名を初めて知ったのは、1964年発表の「持統天皇と呂(りょ)太后」という論文であった。天武天皇とその皇后だった持統天皇が、漢の皇帝高祖(劉邦)とその皇………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]歴史 人文 ノンフィクション・評伝 

天草エアラインの奇跡。 [著]鳥海高太朗

天草エアラインの奇跡。 [著]鳥海高太朗

 おお、これか! 大小のイルカがデザインされた機体を目にしたときには私も興奮した。熊本県の天草空港を拠点にした第三セクターの天草エアライン。2000年、第1便が天草空港を離陸した直後は搭乗率9割………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 

共通文化にむけて 文化研究1/想像力の時制 文化研究2 [著]レイモンド・ウィリアムズ

共通文化にむけて 文化研究1/想像力の時制 文化研究2 [著]レイモンド・ウィリアムズ

 文化に潜む政治性を論じる「カルチュラルスタディーズ」。『ニューレフト』誌を舞台にその研究の道を開いたフロントランナーの論考を日本で独自編集した。コミュニケーションや自然環境の議論と、ユートピア………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]人文 社会 

2016年05月22日

武満徹・音楽創造への旅 [著]立花隆

武満徹・音楽創造への旅 [著]立花隆

■「音の河」から確かな音を選ぶ 約800ページ、2段組みの大著を前に、武満徹という音楽家の人生を咀嚼(そしゃく)しようともがいてしまった。誰しも人の一生は一冊の本に納まらないほどの物語があるだろ………[もっと読む]

[評者]細野晴臣(音楽家)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 

時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか [著]ヴォルフガング・シュトレーク

時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか [著]ヴォルフガング・シュトレーク

■脅かされる国民福祉と民主主義 資本主義経済の運営がなぜうまく行かないのか。成長率は回復せず、国家債務は増大の一途をたどるばかりだ。各国の中央銀行は競って量的緩和策に乗り出すが、問題の根本治癒に………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]経済 

ヒーロー! [著]白岩玄

ヒーロー! [著]白岩玄

■目を奪われる、いじめ撲滅作戦 デビュー作『野ブタ。をプロデュース』で読者をあっといわせた白岩玄。それから12年がたち作者も大人になったかな、と思ったらそうでもなかった(あ、これ褒め言葉です)。………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]文芸 

地域アート―美学/制度/日本 [編著]藤田直哉

地域アート―美学/制度/日本 [編著]藤田直哉

■「前衛のゾンビたち」の功罪問う 現在、日本では地域名を冠した芸術祭が増え、かつての地方博ブームのように乱立している。本書はそうした現状を批判的に考察する。 まず藤田直哉は巻頭の論考で、現代アー………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 

天下一の軽口男 [著]木下昌輝

天下一の軽口男 [著]木下昌輝

■権力者やり込め、胸のすく思い 木下昌輝は、宇喜多直家が梟雄(きょうゆう)になるまでを追ったデビュー作『宇喜多の捨て嫁』で、高校生直木賞、舟橋聖一文学賞などを受賞。人魚の肉を食べた新撰組隊士が異………[もっと読む]

[評者]末國善己
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]歴史 文芸 

真実―私は「捏造記者」ではない [著]植村隆

真実―私は「捏造記者」ではない [著]植村隆

■幾重にも浮かぶこの社会の病理 従軍慰安婦問題の本質は2点ある。その1は、「軍隊と性」で、古代ローマ以来、性病によって軍隊が機能しなくなることへの懸念である。その2は、20世紀の軍隊と性は、それ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]政治 社会 

洛中洛外図屏風―つくられた〈京都〉を読み解く [著]小島道裕

洛中洛外図屏風―つくられた〈京都〉を読み解く [著]小島道裕

 金色にたなびく雲の間にのぞく神社仏閣の並んだ京都。目をこらすと、市井の人々の暮らしが浮かんでくる。いわゆる洛中洛外図である。室町から江戸時代にかけて多く作成された。 屏風(びょうぶ)につくられ………[もっと読む]

[評者]円城 塔 (作家)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]歴史 

外道クライマー [著]宮城公博

外道クライマー [著]宮城公博

 本書は、谷間の沢筋をたどる「沢登り」に熱中する登山家の手記だ。著者は、「探検的な要素を含んだ」沢登りにこだわり、国内外の秘境に分け入っていく。2012年には立ち入り禁止のご神体「那智の滝」(和………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 

2016年05月15日

ジャッカ・ドフニ―海の記憶の物語 [著]津島佑子

ジャッカ・ドフニ―海の記憶の物語 [著]津島佑子

■繰り返す迫害への静かな怒り 文学とは、つらい現実から逃避する場ではなく、そんな現実と戦う現場であり、読み手にその力をもたらすものだと教えてくれた作家が、津島佑子だった。遺作の本書も、強靱(きょ………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]文芸 社会 

地球を「売り物」にする人たち―異常気象がもたらす不都合な「現実」 [著]マッケンジー・ファンク

地球を「売り物」にする人たち―異常気象がもたらす不都合な「現実」 [著]マッケンジー・ファンク

■議論を尻目にビジネスは進む 地球環境についての話題はとてもデリケートで、つい感情的になりがちだ。 温暖化の進行自体が否定されることは少なくなってきているが、それが人間の活動に起因するのかどうか………[もっと読む]

[評者]円城 塔 (作家)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]社会 

インド独立の志士「朝子」 [著]笠井亮平

インド独立の志士「朝子」 [著]笠井亮平

■二つの故郷、手放さず生きる 「涼しい風がそよそよと吹く頃となりました。其(そ)の後如何(いかが)で御座いますか」「ときどきはどうしてこんな見知らぬ(自分の国ながら)所へ来たかと思って淋(さび)………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]歴史 社会 

支配する人道主義―植民地統治から平和構築まで [著]五十嵐元道

支配する人道主義―植民地統治から平和構築まで [著]五十嵐元道

■「救う」側に潜む危険な暴力性 人道主義とは尊いもの。多くが信じて疑わない観念の図式を本書は敢(あ)えて批評的検証の俎上(そじょう)に載せる。 注目されるのはトラスティーシップという概念だ。それ………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]社会 

模範郷 [著]リービ英雄

模範郷 [著]リービ英雄

■恐れ超え、記憶の場に踏み込む リービ英雄の最初の小説「星条旗の聞こえない部屋」が発表されたのは一九八七年。英語で生まれ育ったアメリカ人が日本語で書いた小説として話題をよんだが、それ以来、彼は日………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]歴史 文芸 

中央銀行が終わる日―ビットコインと通貨の未来 [著]岩村充

中央銀行が終わる日―ビットコインと通貨の未来 [著]岩村充

■「将来の豊かさ」前借りには限界 世界の金融市場参加者の間で、先進国の中央銀行が近年実施してきた大規模な金融緩和策への失望が急速に広がっている。景気刺激効果の限界が露(あらわ)になってきたためだ………[もっと読む]

[評者]加藤出
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]経済 社会 

死仮面 [著]折原一

死仮面 [著]折原一

 折原一の新作は、現実と作中作が同時並行で進む複雑な構成の物語である。 秋月雅代は、急死した内縁の夫の境遇が、秘密に包まれていたと知る。夫が何者かを調べ始めた雅代は、遺品の小説を読み始める。 小………[もっと読む]

[評者]末國善己
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]文芸 

大山猫の物語 [著]クロード・レヴィ=ストロース

大山猫の物語 [著]クロード・レヴィ=ストロース

 オオヤマネコとコヨーテは双子で、元々はよく似ていた。しかし、「彼らは、互いに分化する道を選んだ。つまりオオヤマネコはコヨーテの鼻面と足を引き伸ばし、コヨーテはオオヤマネコの鼻面と尾を縮めたので………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]人文 

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