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更新日: 2016年08月21日2016年08月14日2016年08月07日

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2016年08月21日

鉄道は誰のものか [著]上岡直見

鉄道は誰のものか [著]上岡直見

■「交通は人権」の視点に立つ評論 ブルートレインなどの廃止が発表されると、駅のホームには「最後の雄姿」を撮ろうとマニアが詰めかける。鉄道会社が決めたことは既成の事実となり、誰も批判しようとはしな………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]経済 

人類進化の謎を解き明かす [著]ロビン・ダンバー

人類進化の謎を解き明かす [著]ロビン・ダンバー

■運命を分けた集団形成の差 気のおけない、互恵的な集団は、150人が限度である。この数は狩猟採集段階の共同体(クラン)から、新石器時代以後の村落、軍隊、地域教会、政治組織にいたるまで共通している………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]科学・生物 

ビビビ・ビ・バップ [著]奥泉光

ビビビ・ビ・バップ [著]奥泉光

■AIの時代に、人とは何か問う 伝奇小説の名作を残した国枝史郎は、複雑怪奇に入り組んだ自作を即興性の高いジャズになぞらえた。主人公が、国枝を敬愛した半村良の『妖星伝』を読んでいる本書も、ジャズを………[もっと読む]

[評者]末國善己
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]文芸 

三の隣は五号室 [著]長嶋有

三の隣は五号室 [著]長嶋有

■半世紀の暮らし刻む部屋が主役 間取り好きには堪(こた)えられない小説である。舞台は東京近郊のさして特徴のない町に立つ木造アパート。部屋は二間あって広めだが、その一つは三方が障子に囲まれている。………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]文芸 

集団的自衛権の思想史 [著]篠田英朗

集団的自衛権の思想史 [著]篠田英朗

■憲法と安保の「二重構造」を検証 憲法学者の宮沢俊義は、ポツダム宣言受諾で天皇主権から国民主権への「革命」が起こったとした。いわゆる「八月革命」説だ。だが、著者によれば、この説は、「実際の憲法制………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]政治 

すばらしい黄金の暗闇世界 [著]椎名誠

すばらしい黄金の暗闇世界 [著]椎名誠

■地下住居、空飛ぶ蛇、食肉ナマズ 著者は、するする読めて深い味わいを残すエッセー集を数多く書いてきた。最新刊の本書では、その名人芸が、自然界の森羅万象やそこに関わる人間の生活を題材として十二分に………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]文芸 

三十八年戦争と蝦夷政策の転換 [編]鈴木拓也

三十八年戦争と蝦夷政策の転換 [編]鈴木拓也

 日本の歴史と言われると、近畿地方を中心とした風景が浮かびがちだが、しかしもちろん、日本列島全域には有史以前から人が暮らしていたのである。 本巻で完結した「東北の古代史」シリーズは、東北地方にお………[もっと読む]

[評者]円城 塔 (作家)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]歴史 

川原慶賀の「日本」画帳―シーボルトの絵師が描く歳時記 [編]下妻みどり

川原慶賀の「日本」画帳―シーボルトの絵師が描く歳時記 [編]下妻みどり

 江戸時代、幕府の鎖国政策のもとで唯一開かれていた長崎の出島。今年没後一五〇年のオランダ商館医・シーボルトは、さまざまな情報や文物を持ち帰り、ヨーロッパにおける日本研究の基礎を作った。 長崎の絵………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]歴史 

2016年08月14日

民主主義は止まらない [著]SEALDs 日本×香港×台湾 若者はあきらめない [編]SEALDs

民主主義は止まらない [著]SEALDs 日本×香港×台湾 若者はあきらめない [編]SEALDs

■生身の言葉が動きを生み出す 社会や政治に対する冷ややかな視線はない。かといって、かつての政治的な「運動」のようなこわばりもない。 それを甘いと考える左派もいるが、「運動」を否定する右派の言葉も………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]政治 社会 

帰郷 [著]浅田次郎

帰郷 [著]浅田次郎

■戦中と戦後つなげる想像力喚起 戦争を描くことをライフワークにしている著者の新作は、六作の戦争小説を収めた短編集である。戦争小説は最前線で戦う兵士を主人公にしがちだが、本書は戦争が巻き起こす様々………[もっと読む]

[評者]末國善己
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]文芸 

世界の不思議な音 [著]トレヴァー・コックス

世界の不思議な音 [著]トレヴァー・コックス

■「理」と「情」で解き明かす音文化 〈音〉を言葉で説明するのは難しい。自然の音や楽音はさまざまな情感を呼び起こすから論理的に解説しづらく、いきおい、情感と理屈のバランスが取りにくくなる。だがこの………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]人文 科学・生物 

兵士のアイドル―幻の慰問雑誌に見るもうひとつの戦争 [著]押田信子

兵士のアイドル―幻の慰問雑誌に見るもうひとつの戦争 [著]押田信子

■戦況に応じ、変遷する女性像 かつて『戦線文庫』という雑誌があった。銃後の国民が寄付した「恤兵(じゅっぺい)金」を用いて海軍の委託を受けた出版社が制作。用紙不足で減頁(ページ)を強いられる一般雑………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能 

「非正規労働」を考える―戦後労働史の視角から [著]小池和男

「非正規労働」を考える―戦後労働史の視角から [著]小池和男

■調査事例を基に制度改善を提唱 働いても生活が苦しいワーキングプアや、将来不安に伴う未婚化、少子化の問題に、近年の非正規労働の拡大が影響を及ぼした面は否めない。厚生労働省の平成26年の調査による………[もっと読む]

[評者]加藤出
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]経済 社会 

三池炭鉱宮原社宅の少年 [著]農中茂徳

三池炭鉱宮原社宅の少年 [著]農中茂徳

■のどかな暮らしの先に深い意味 福岡県大牟田市宮原町二丁目。三井三池炭鉱で働く人々が住む「宮原社宅」があった場所である。 高さ2メートルほどのブロック塀に囲まれた社宅に住むのは200世帯ほど。塀………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]人文 社会 

鉄幹と文壇照魔鏡事件―山川登美子及び「明星」異史 [著]木村勲

鉄幹と文壇照魔鏡事件―山川登美子及び「明星」異史 [著]木村勲

 1901年に『文壇照魔鏡(しょうまきょう)』という書が刊行される。与謝野鉄幹の私生活を徹底した悪罵の筆で描いている。だが著者名も版元も仮名、誰が書いたかは不明だ。鉄幹は、旧知の歌人高須芳次郎(………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]文芸 人文 

煉瓦を運ぶ [著]アレクサンダー・マクラウド

煉瓦を運ぶ [著]アレクサンダー・マクラウド

 カナダ出身のアリステア・マクラウドは優れた短編作家だが、同じく作家の息子が父と同レベルという保証はない、とやや斜に構えて本書を開いたが、二、三編読んで姿勢を正した。父に引けを取らない濃密で確か………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年08月14日
[ジャンル]文芸 人文 

2016年08月07日

18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの [著]井手英策/子育て支援が日本を救う―政策効果の統計分析 [著]柴田悠

18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの [著]井手英策/子育て支援が日本を救う―政策効果の統計分析 [著]柴田悠

■成長優先の発想、大胆に転換 かつて先進国で稀(まれ)にみる平等社会といわれた日本。だが、バブル崩壊から四半世紀を経て、貧困と格差が最大の社会問題に浮上した。これまで、経済成長さえすれば給与が増………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]経済 社会 

コンビニ人間 [著]村田沙耶香

コンビニ人間 [著]村田沙耶香

■常識のあやしさ、「水槽」越しに 24時間営業。年中無休。コンビニエンスストアは現代日本に欠かせないインフラだ。でもね、本書の語り手・古倉恵子のコンビニ依存度は並みではない。なぜって彼女は、コン………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]文芸 

金持ちは、なぜ高いところに住むのか [著]アンドレアス・ベルナルト

金持ちは、なぜ高いところに住むのか [著]アンドレアス・ベルナルト

■エレベーターが世界を変えた タイトルで少し損をしているかもしれない。本書の原題は「エレベーターの歴史」であり、19世紀に登場した機械仕掛けで垂直方向に動く密室の箱が、いかに建築や社会を変え、ま………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 

須賀敦子の手紙―1975—1997年 友人への55通 [著]須賀敦子

須賀敦子の手紙―1975—1997年 友人への55通 [著]須賀敦子

■「語り」聞こえるまろやかな直筆 最初の著作が出たのが六十一歳、八年後に他界し、生前の著書はわずか五冊。にもかかわらず、没後に書簡と日記と詳細な年譜を含む全集八巻が刊行。須賀敦子の人生は驚きに満………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝 

ジニのパズル [著]崔実

ジニのパズル [著]崔実

■無力な人々の背を押す強靱な力 勇気あるデビュー作である。「苦しい時は私の背中を見なさい」とチームメイトに言った、女子サッカーの澤穂希のような存在の小説だ。 在日3世の少女ジニは、自分の居場所を………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]文芸 社会 

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

■百年間の記事から選りすぐり 数学者の発見が物理学者に伝わるには、五十年から百年の時間がかかるといわれたりする。日常の話題に顔を出すまでとなるとさらに時間が必要となる。 本書には、ニューヨークタ………[もっと読む]

[評者]円城 塔 (作家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]歴史 社会 

アキバと手の思考 [著]粉川哲夫

アキバと手の思考 [著]粉川哲夫

 ラジオアートという言葉に違和感を覚えるとしたらラジオとアートへの誤解があるのかも。ラジオは電波を介した双方向コミュニケーションメディアとして始まった。コミュニケーションはそれをどう行うか主体的………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]社会 

「イスラム国」の内部へ―悪夢の10日間 [著]ユルゲン・トーデンヘーファー

「イスラム国」の内部へ―悪夢の10日間 [著]ユルゲン・トーデンヘーファー

 世界を不条理な暴力が覆っている。動機も背景も不明瞭な殺戮(さつりく)が起きるたび、「イスラム国」(IS)の名が浮かび上がる。 実際は、いつも関与があるわけではない。ISは、理解しがたい反文明的………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]社会 国際 

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