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更新日: 2016年09月25日2016年09月18日2016年09月11日

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2016年09月25日

70歳の日記 [著]メイ・サートン

70歳の日記 [著]メイ・サートン

■「自分らしく」と願う切実な声 夜中に目が覚め、虫たちの声が聞こえる中、本書を開いた。こんなふうに真夜中に読書するのは久しぶり。追うべき筋があるわけではないから、ゆっくりと味わえる。「なぜかはわ………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸 

忘却された支配―日本のなかの植民地朝鮮 [著]伊藤智永

忘却された支配―日本のなかの植民地朝鮮 [著]伊藤智永

■隠された記憶と責任をたどる もう20年以上も前のことだ。小郡(現・新山口)からJR宇部線に乗った。平凡な車窓風景に見飽きてきた頃、不意に左手の視界が開け、周防灘が現れた。だがそれよりもっと驚い………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]歴史 政治 

あたらしい名前 [著]ノヴァイオレット・ブラワヨ

あたらしい名前 [著]ノヴァイオレット・ブラワヨ

■世界中の矛盾に向かう子どもら 国盗(と)りゲームで子どもたちが陣地につける国名は、勝敗には関係ない。でも主人公のダーリンと、友達のチポやバスタードらには、人気の国と不人気の国がある。アメリカは………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸 社会 

クラフツマン―作ることは考えることである [著]リチャード・セネット

クラフツマン―作ることは考えることである [著]リチャード・セネット

■ものと「対話」する手仕事再評価 著者セネットが学生時代に出会った哲学者ハンナ・アレントは、人間のあり方として、「労働する動物」と「工作人(ホモ・ファーベル)」とを区別した。機械的な労働に従事す………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸 

マルセル・デュシャンとアメリカ―戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷 [著]平芳幸浩

マルセル・デュシャンとアメリカ―戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷 [著]平芳幸浩

■読み解き揺さぶり美術を刺激 1917年、男性用小便器を展覧会に出品し、スキャンダルを巻き起こしたマルセル・デュシャンは芸術の概念を根本から変えてしまった。が、本書はいわゆる伝記的な作家論ではな………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝 

炭坑の絵師―山本作兵衛 [著]宮田昭

炭坑の絵師―山本作兵衛 [著]宮田昭

 国内最大の産炭地だった筑豊は、炭坑(ヤマ)の文化のふるさとである。 過酷な労働と圧制の中にあっても、人情が紡ぐ無数の哀楽の物語があった。 山本作兵衛は、自らヤマの男として生涯を生き、65歳から………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]人文 

赤塚不二夫生誕80年企画―バカ田大学講義録なのだ! [著]泉麻人ほか

赤塚不二夫生誕80年企画―バカ田大学講義録なのだ! [著]泉麻人ほか

 ♪みやこの西北 ワセダのとなり……。そんな校歌で知られる「バカ田大学」。漫画『天才バカボン』に登場する架空の大学で講義するという「お題」に、多彩な講師陣が挑んだ。 たとえば俗を極めて神々しささ………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸 

2016年09月18日

世界マヌケ反乱の手引書―ふざけた場所の作り方 [著]松本哉

世界マヌケ反乱の手引書―ふざけた場所の作り方 [著]松本哉

■階級格差に抗する陽気な連帯 2015年夏に、安保法案に反対する大きなデモがあった。マスメディアでは、それはサウンド・デモなど、旧来と異なる新鮮なものであり、学生集団シールズがそれをもたらしたと………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]経済 社会 

狩りの時代 [著]津島佑子

狩りの時代 [著]津島佑子

■差別の記憶に苦しむ二つの世代 今年2月に他界した津島佑子氏の遺作。容体が悪化して入院する直前まで書き続けていた新作が、この内容と、このテーマだったことに胸をつかれる。 物語は二つの世代の記憶を………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]社会 国際 

テレビは男子一生の仕事―ドキュメンタリスト牛山純一 [著]鈴木嘉一

テレビは男子一生の仕事―ドキュメンタリスト牛山純一 [著]鈴木嘉一

■今こそ求められる傑物の生き様 新卒一期生として日本テレビに入社した牛山純一は「ノンフィクション劇場」など傑作ドキュメンタリーを多く作った。本書はこの伝説的テレビ人の評伝だ。 何もかもが初めて尽………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 

金融政策の「誤解」―“壮大な実験”の成果と限界 [著]早川英男

金融政策の「誤解」―“壮大な実験”の成果と限界 [著]早川英男

■「短期決戦」のはずが「持久戦」に 日本銀行は今週水曜(21日)に、現在実施中の量的質的緩和策(QQE)とマイナス金利政策の経済への影響を評価する「総括的な検証」を公表する。世界中の金融市場関係………[もっと読む]

[評者]加藤出
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]経済 社会 

テロ [著]フェルディナント・フォン・シーラッハ

テロ [著]フェルディナント・フォン・シーラッハ

■少数を犠牲にした少佐は有罪か 法廷に立った被告人は、ドイツ連邦空軍のラース・コッホ少佐。戦闘機パイロットの彼は、ドイツ上空でテロリストにハイジャックされた旅客機を撃墜し、乗客164人を死なせた………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]社会 国際 

野蛮から生存の開発論―越境する援助のデザイン [著]佐藤仁

野蛮から生存の開発論―越境する援助のデザイン [著]佐藤仁

■縦割りの「欠陥」が裾野広げた 日本の開発援助とは何かを問い直す、良質な思考の書が現れた。本書はアマルティア・センの思想を踏まえ、途上国の「不足」ではなく、彼らが「もっているもの」に着目してそれ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]経済 社会 

はたらくことは、生きること―昭和30年前後の高知 [著]石田榮

はたらくことは、生きること―昭和30年前後の高知 [著]石田榮

 日曜カメラマンが撮るものといえば、美しい風景や日常のスナップが思い浮かぶ。引き揚げ者からもらったカメラで撮り始めたという90歳の石田榮はしかし、昭和30年ごろには高知で働く人々を追っている。 ………[もっと読む]

[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会 

あの夏、兵士だった私―96歳、戦争体験者からの警鐘 [著]金子兜太

あの夏、兵士だった私―96歳、戦争体験者からの警鐘 [著]金子兜太

 九七歳になる俳人の金子兜太が、戦争体験を軸に据え、これまでの人生と俳句を語る。海軍に属して南方第一線を希望し、旧南洋諸島のトラック島に配属された若い日。その戦場は「郷土の期待」「祖国のために」………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 

2016年09月11日

死すべき定め―死にゆく人に何ができるか [著]アトゥール・ガワンデ 脳外科医マーシュの告白 [著]ヘンリー・マーシュ

死すべき定め―死にゆく人に何ができるか [著]アトゥール・ガワンデ 脳外科医マーシュの告白 [著]ヘンリー・マーシュ

■人生の終末描く、医療は文学 医療は文学的なんだよと若い研修医がわたしにいった。十九歳の夏、脳下垂体腫瘍(しゅよう)の手術のため入院した病院でのことだ。手術時間も比較的短い良性腫瘍は重篤な患者さ………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]人文 医学・福祉 

となりのイスラム―世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代 [著]内藤正典

となりのイスラム―世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代 [著]内藤正典

■共生への知恵を示す入門書 たぶん、これまででもっともわかりやすく、実践的で、役に立つイスラムの入門書だと思う。遠くて不可解なイスラムではなく「となりのイスラム」。 世界中に15億~16億人。い………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]社会 国際 

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 [著]ケヴィン・ケリー 人間さまお断り―人工知能時代の経済と労働の手引き [著]ジェリー・カプラン

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 [著]ケヴィン・ケリー 人間さまお断り―人工知能時代の経済と労働の手引き [著]ジェリー・カプラン

■進む技術、急激な変化に人類は 技術の進歩にはどこかバカバカしいところがあって、空を飛ぶ乗り物とか、言葉をしゃべる箱だとか、いまだに信じられない人もいるはずである。 二十年前には、手帳大の機械で………[もっと読む]

[評者]円城 塔 (作家)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]人文 科学・生物 IT・コンピューター 

戦艦武蔵 [著]一ノ瀬俊也

戦艦武蔵 [著]一ノ瀬俊也

■戦争忘却を促す「事実への逃避」 戦艦大和が様々に語られてきたのに対し、なぜ武蔵はそうならなかったか。これが本書の問いである。すでに著者は『戦艦大和講義』(人文書院)において、大和をめぐる言説や………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]歴史 社会 

トランプ現象とアメリカ保守思想―崩れ落ちる理想国家 [著]会田弘継

トランプ現象とアメリカ保守思想―崩れ落ちる理想国家 [著]会田弘継

■南北戦争期の「人種秩序」に源流 どの国にもその成り立ちや過去に由来する葛藤がある。どれほど時代が変わっても拭えない課題があり、歴史の深層を貫く伏流水のように幾度も表出する。 米国の場合、それは………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]政治 社会 

治部の礎 [著]吉川永青 天下を計る [著]岩井三四二

治部の礎 [著]吉川永青 天下を計る [著]岩井三四二

■今に通じる戦国武将たちの奮闘 大河ドラマ「真田丸」が、関ケ原の合戦に向けて盛り上がっている。タイムリーなことに、関ケ原の負け組を再評価する歴史小説が2冊続けて刊行された。 吉川永青『治部(じぶ………[もっと読む]

[評者]末國善己
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]歴史 文芸 

文字を作る仕事 [著]鳥海修

文字を作る仕事 [著]鳥海修

 爽涼たる書体(フォント)デザイナー鳥海修の半自伝。ヒラギノや游書体を作った人だ。いずれも、すっきりとしていて読みやすく、それでいて心に刻み込まれる書体である。怜悧(れいり)にして清澄な湧き水を………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 IT・コンピューター 

希望荘 [著]宮部みゆき

希望荘 [著]宮部みゆき

 心優しく、控えめながら、事件に隠された人の内面を地道な調査で解き明かしていく杉村三郎は、著者が創出した現代の探偵像だ。これまで事件に巻き込まれる会社員の役回りだったが、シリーズ4作目の本書では………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]文芸 人文 

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