すてきなタイトルにひかれました。力強さの中に、やさしさも感じられる。裏表紙に「本と人との出会いは、運命だ。偶然、手にしたように見えても、しかるべき人に、しかるべき本が巡り合うようにできている」という一文がありました。この本がそうだと思い、購入しました。2年ほど前のことです。
中島らもさんが雑誌や新聞などに書いたエッセーや本の解説をまとめた一冊です。ウィットに富んだ思考がつづられていて、読んでいてハッとさせられることが何度もありました。
「至福のひととき」という一編は、らもさんが子どものときのお話。『ガンジー』『野口英世』といった偉人伝を読んでいたけど、あるときコナン・ドイルや山田風太郎の作品を知って世界が変わったそうです。
私も小学生のときに偉人伝を読んでいましたが、筒井康隆さんの小説『時をかける少女』に出会って、物語のおもしろさに驚いた経験があります。だから、すごく共感しました。らもさんのお友だちの話も随所に出てきます。面白い人の周りには面白い人が集まるんですね。私もそうなりたいなと思います。
お風呂につかりながら本を読むのが大好きです。リラックスできる。気づいたら1時間以上経っていることもあります。(聞き手・西秀治 写真・乃木坂46合同会社提供)=朝日新聞2019年3月23日掲載
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