『鉄道の基礎知識』を10年ぶり大改訂! 写真700枚・200ページ増 鉄道の基本が学べる一冊
記事:創元社
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ご好評をいただいた第1版刊行からはや10年――改訂版の構想は早くからありましたが、著者の「書名に恥じない〈鉄道の基礎〉を網羅した本にしたい」との想いから、数年がかりの改訂作業となってしまいました。長らくお待たせしてしまい、まことに申し訳ございません。
非常に長い道のりで、途中であきらめかけた時期もありましたが、怯まず挫けず、また出し惜しみすることなく、いまできる精一杯を尽くしたつもりです。第1版をご購入くださった方々にも自信をもっておすすめできる内容になったと思います。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
以下に、本書の増補・改訂ポイントをまとめました。長々とした説明で恐縮ですが、ご参考になれば幸いです。
この10年のあいだに次々と新しい技術が導入され、サービスの形態も変わりました。今回改訂ではそれらの動向をふまえつつ、より幅広く、より精緻に鉄道システム全般を解説することをめざしました。結果、朱筆の入らないページはほぼなく、加筆修正(著者手書き)でゲラが真っ赤になったほどです。
第1版では、車両をはじめ、駅、車両記号・番号、ダイヤグラム、駅構内図などなど700点超の写真・図版を収録しましたが、今回改訂ではさらに写真700点を追加、資料性がさらに向上しました(著者蔵出しの貴重写真も多数あり)。ビギナーにも、オールドファンにも楽しんでいただける内容になったと思います。
いわゆる「直通運転」はその複雑な運行や組み合わせの妙が面白いのか、なかなか人気があります。一昨年刊行の『東京の地下鉄相互直通ガイド』は局所的かつマニアックな内容でしたが、おかげさまで重版に至りましたし、『鉄道手帳』掲載の直通運転資料も大人気です(毎年更新するのは大変なので、たまにしか載せません)。今回改訂では、直通運転の概史として25頁に及ぶ「補論」を新設するとともに、本論中の解説や写真も大幅に増強しました。現時点の最新資料になっているはずです。
著者の所澤秀樹氏は、もともとは重電機器の設計に携わっていたため、鉄道機器に関する解説がとても詳しいのも本書の特徴です。もちろん、車両は言うに及ばず、列車の運行についても造詣が深く、その経験と知識は今回改訂でも遺憾なく発揮されています。旅客営業制度にも精通し、本書ではお得な利用法も細かく解説されています(きっぷ写真も多数追加)。
原則として、中学校以上で習う漢字にはルビを振りました。すべてに振るとかえって読みづらいので、「節」初出のみに限定していますが、これでずいぶん読みやすくなったと思います。難読駅名や鉄道特有の用語、特殊な読みや間違いやすい語については、小学校で習っていても積極的にルビを振っています。索引項目もたくさん拾いましたので、一種の用語事典としてもご活用いただけると思います。