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生活史・日本通史・人類学・恐竜学・「個性学」 この夏は人文書を読もう! おすすめの人文書5選

記事:じんぶん堂企画室

この夏は人文書を読もう
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この記事で紹介する本

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東京の生活史

岸政彦 編/筑摩書房(9月21日刊行予定・予約受付中)

東京の生活史(9月21日刊行予定・予約受付中)
東京の生活史(9月21日刊行予定・予約受付中)

 2020年7月のプロジェクト開始から1年、解説も、説明もなく、ただそこに東京出身の、在住の、やってきた人の、人生の語りがあるだけという前代未聞の本が誕生します。

 「150人が語り、150人が聞いた、東京の人生」。一般公募の「聞き手」によって集められた、いまを生きる人びとの膨大な語りを一冊(1216頁/2段組み)に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集です。

 新型コロナウイルス感染拡大の中でのオリンピック。その開催都市、東京。世界から一番注目を集める都市の全貌は、一挙に理解することはできません。しかし偶然と必然によって隣り合っている本書の成り立ちそのものが、東京の成り立ちを再現しているのです。

 2021年の夏は、150万字の生活史の海へ。

卑弥呼、衆を惑わす

篠田正浩 著/幻戯書房

卑弥呼、衆を惑わす
卑弥呼、衆を惑わす

 東京五輪の開会宣言をめぐり、天皇の政治性が議論されたことは記憶に新しい。その、政治から分離された「象徴」たる天皇の存在と日本人の起源について、再考の好機を与えてくれるのが本書。天皇家が祀る「アマテラス」の始原を、卑弥呼の「鬼道」と捉え、三世紀の巫女王の「呪性」と二十世紀の現人神の「神聖」を結び、現在の「象徴」までを俯瞰した通史となっている。

 約1700年という時を隔てながらもシンクロしていく、邪馬台国と天皇制国家。昭和20年の敗戦で歴史の教師を失った映画監督の巨匠が、記紀と倭伝の齟齬を衝き、「神話」と「正史」の結節点を探って、「万世一系」の皇統を支える日本人の「集合的無意識」に迫った、渾身の書き下ろし。

マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

奥野克巳、MOSA 著/日本実業出版社

マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか
マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

 生きるとは? 働くとは? 性とは? 幸せとは? 人間とは? 森の民プナンに会えば、人類がわかる! 『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』の奥野克巳が、新進気鋭のマンガ家MOSAとともに森の民と暮らして創り出した“民族誌マンガ”という挑戦。

 なぜマンガなのか? その理由は巻末の「人類学マンガのために」で詳しく解説していますが、まずは全9章のマンガで、フンコロガシやマレーグマや移動する小屋やヒゲイノシイや「アホ犬」のエピソードを読んで(見て)ください。

 本書は、マンガでしか描けない人類学講義であり、プナンの暮らしを通して人類学そのものが理解できる1冊です。

森の民プナンの日常を描き出す『マンガ人類学講義』は、なぜ「マンガ」なのか

恐竜学者は止まらない!――読み解け、卵化石ミステリー

田中康平 著/創元社

恐竜学者は止まらない!
恐竜学者は止まらない!

 今年の夏も全国各地で恐竜関連のイベントが開催され、最新の研究成果をもとにした展示が来場者を楽しませている。そんな私たちを驚かせる研究はどうやって生まれ、完成するのだろう? 恐竜学者になるまでの日々とは? 

 どんな状況でもあきらめず、工夫と閃きと周到な準備で道を切り開き、恐竜の謎を解明すべく研究に邁進する若き恐竜学者の奮闘の日々は、私たちに勇気をくれる。研究のプロセスや留学生活、フィールドワークでのエピソードも読みごたえたっぷり。恐竜ファンはもちろん、夢に向かってチャレンジするすべての人に読んでいただきたい、この夏必読の科学エッセイ。

 小林快次氏(北海道大学総合博物館教授)、万城目学氏(作家)推薦。8月19日発売。

個性学入門―個性創発の科学―

保前文高、大隅典子 編/朝倉書店

個性学入門―個性創発の科学―
個性学入門―個性創発の科学―

―「我々は何者か?」という問いの中には,普遍性と固有性が潜んでいる。「人間は他の動物とどのように似ており、どのような点が異なるのか?」、「日本人は白人とどこが違うのか?」、そして究極には、「私とはどういう人間なのか?」 このような根源的な問いを解くヒントは、発生、発達と進化の理解の中にある。

―多様性についての配慮がより重要となっている現代社会において、我々は「個性学」を提唱するものである。(大隅典子 プロローグより)

 「個性」とは一体なにか? 普段何気なく使われている「個性」という概念は、実はこれまで、十分に「科学」としては扱われてきませんでした。

 さまざまなバックグラウンドをもつ研究者たちが「個性」を共通キーワードとして、それぞれの立場から研究。脳科学・生物学から人文社会まで、多様な分野から「個性」を科学的に捉える一冊です。

「個性」とはなにか。ー我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

この夏は人文書を読もう! キャンペーン

 「じんぶん堂」ではこの夏、読者のみなさんにおすすめの人文書をうかがいたく、ツイッターでキャンペーンを実施しています。下記をお読みいただき、ぜひご参加ください。いただいた投稿の一部は後日、じんぶん堂で紹介する場合があります。抽選で10名様に3,000円分の図書カードをプレゼントします。

応募方法
①「じんぶん堂」公式ツイッターアカウント(@asahijinbun)をフォローする
②ハッシュタグ「#人文書を読もう」をつけて、あなたのおすすめの人文書・最近読んで面白かった人文書・この夏読みたい人文書などについて、①本の書名(と著者)②感想など一言コメントをツイートしてご応募ください。

応募締切
2021年8月31日(火)正午

結果発表
抽選結果のご連絡は、2021年9月中に当選者のみにDMで行います。あらかじめご了承ください。

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