1. じんぶん堂TOP
  2. 教養
  3. さまざまな面白さや不思議さが潜む「ことば」について考える 〜多彩で深い言語学の世界

さまざまな面白さや不思議さが潜む「ことば」について考える 〜多彩で深い言語学の世界

ことばについて考えてみたことがあるでしょうか?
ことばについて考えてみたことがあるでしょうか?

ことばは、誰にとっても空気のような存在

 ことばについて考えてみたことがあるでしょうか。考えると言っても、「ことばの何について考えるの?」と逆に質問されるかもしれません。ことばは、誰にとっても空気のような存在であり、特別な努力や苦労なしで使えますし、使えて当たり前ですから、改まってその意義や仕組みなどについてわざわざ考えたことがないのが普通かもしれません。

ことばが使えるって結構不思議なことであり、大変なこと

 ですが、動物界の中でもことばを使うのは人間だけであることに気付いたり、脳の病気や怪我によってことばが自由に使えない人の様子に接したり、ことばで恋を語ったり人を喜ばせたり悲しませたりするような経験をすると、ことばが使えるって結構不思議なことであり、大変なことなんだ、と思えるに違いありません。

読み進んでいくと、知らぬ間にかなり専門的な知識も身に付く

 本書は、みなさんをそんなことばの世界へ誘おうとするものです。ことばに関係した面白いトピックがたくさん用意されています。ことばのことなど一度も考えたことがない高校生や、言語学などという堅苦しい学問を勉強したことがない社会人の方に、「へえ、ことばにはそんな面白い側面や性質があったんだ」とか、「気付かなかったけれども、ことばにはいろいろな不思議が潜んでいるんだ」、「そんな見方をすると、ことばの知らない世界が見えてくるんだ」と思ってもらえるように企画しました。読み進んでいくと、知らぬ間にかなり専門的な知識も身に付きますので、日本語や外国語の言語学を専攻している大学生にも十分読んでもらうことができます。

世界の様々な文字
世界の様々な文字
ひらがな カタカナ そして漢字
ひらがな カタカナ そして漢字

何気なく使っていることばの中にさまざまな面白さや不思議さが潜んでいる

 本書は3部から構成されています。第I部では、ことばの面白さや不思議さが私たちの身近な日常生活の中にあることに気付いてもらえるものと思います。第II部では、少し専門的な基礎知識を用いると、何気なく使っていることばの中にさまざまな面白さや不思議さが潜んでいることに気付くようになるものと思います。第III部では、少し日常的な言語生活から離れて、他の言語との比較や、ことばの誕生、動物の「ことば」との比較などを考えてみます。

 それぞれの章に親しみやすい題名が付けられています。章のトピックになるべく親しみを感じてもらいたいからです。副題として【】の中に、言語学の専門領域の名称が書かれていますので、興味を持つことができたら専門書でその領域のことをもう少し詳しく調べてみて下さい。各章の終わりに「練習問題」として、確認のための練習問題や発展のための課題が挙げられています。もう少し詳しく調べたい人のために、参考になる文献が"Further Reading"として挙がっています。本文に脇注を設け、少し専門的な用語の解説や役立つような参考事項が書かれています。

 この本はことばについての事典ですので、ことばに関する表現がたくさん出てきます。原則的に次のように区別することにしています。「ことば」は、人間が脳内に持っている思考やコミュニケーションに用いられる記号体系またはその能力、「言葉」は「言」の「葉」ですので、音声や文字で表された実際の発話や用例、漢字の「言語」は日本語や英語などの個別言語のことを、それぞれ表すことにします。もちろんこれは原則であり、「言語学」のように「ことば」や「言葉」を研究する学問を漢字で示すこともありますし、「女性ことば」のように女性特有な「言葉」のことを、慣例に従い平仮名で「ことば」と表すこともあります。

ことばの面白さや不思議さに気づき、ことばに関心を持ってもらうために…

 執筆している人は、それぞれの分野の熟達した方たちです。執筆者の顔が見えるように、写真やイラストを載せることにしました。またご自分の若い頃の思い出や、もう1度生まれ変わって職業を選ぶとすればどのような仕事に就きたいかなどについて、各章ごとに書いてもらいました。きっと親近感を持って本文も読んでもらえるものと思います。どの執筆者も、一人でも多くの人にことばの面白さや不思議さに気づき、ことばに関心を持ってもらいたいと願っています。本書がことばへの興味のきっかけになれば、編者としてこの上なく幸せです。

中島平三 『ことばのおもしろ事典』まえがき より

『ことばのおもしろ事典』
『ことばのおもしろ事典』

ページトップに戻る