1. じんぶん堂TOP
  2. 教養
  3. 「常識」じゃなくて「世間」じゃなくて、あなたはどう思う? 『自分だけの人生のルール307考えてみた。』

「常識」じゃなくて「世間」じゃなくて、あなたはどう思う? 『自分だけの人生のルール307考えてみた。』

記事:大和書房

『自分だけの人生ルール307考えてみた。』大和書房
『自分だけの人生ルール307考えてみた。』大和書房

おうちのルール

 Rule009 トイレットペーパーは交換する

 使い終わったら交換するだけです。大人のみなさん、取り換えるのに10秒もかからないのに、気づかなかったフリをして出るのはやめましょう。

 Rule010 トイレットペーパーの切れ端だけ残していかない

 ごまかしてもダメです。これはトイレットペーパーを交換しないことよりもたちの悪い行動。わざわざ手間をかけて、ほんの切れ端だけ残したのですから。たまたまそうなったんじゃないことは誰でもわかります。トイレットペーパーのロールを交換しなくてもすむように、慎重に企まれた行為なのです。あなたは、紙を全部巻き取って空のロールだけ残るのを防ごうと、よくよく気を付けながらそっとペーパーを引っ張り出したのでしょう。または、必ず切れ端が残るようにと、ロールを巻き戻しさえしたかもしれません。明らかに誰にとっても役立たずの「切れ端」を残すために。それから、カラになったロールの上に新しいトイレットペーパーを置くだけというのもやめましょう。大人としてどうかと思います。

オフィスのルール

 Rule044 「全員に返信」ボタンを押さない

 ただでさえメールの受信ボックスはくだらないメールでいっぱいだから、無意味な「全員に返信」メールがまわってきても迷惑です。誰かがオフィスの全員充てにメールで問い合わせてきても、必ずしも全員に返信する必要はありません。そのメールを送ってきた人だけに返信してほしいのです。

 Rule048 間仕切りのないオフィスでの私用電話はやめる

 間仕切りのないオフィスが多いという不運な現代の世の中で、こんなことをルールとしてわざわざ言わなければならないのは驚きです。わたしだけでなく、みんな、ほかの人がすぐそばにいるところで個人的な電話なんかできないくらいの自意識はあると思っていました。でも、私用電話を誰かに聞かれても、これっぽっちも恥ずかしくない人もいるんですよね。それどころか、盗み聞きされるのをおおいに楽しんでいるみたい。わたしが目撃したのは毎日5時頃になると、間仕切りのないオフィスのデスクから幼い子どもたちに電話しておしゃべりしていた女性です。たぶん、遅くまで会社にいることを正当化する彼女なりのやり方だったのでしょう。でも、電話でしゃべらなければならないほどお子さんが恋しいなら、家に帰ったほうがいいと思います。

旅のルール

 Rule067 井戸の水が枯れていたら逃げる

 「どこかへ旅行に行く計画はありますか?」危機的状況にある会話をどうにか維持しようとしているとき、この質問は悪くありません。でも、続いてあなたが「ああ、それは素敵ですね……で、いつご出発ですか?」と尋ねるようなら、会話は間違いなく暗礁に乗り上げています。そうなったら口実をつくって退場してください。家に盗みに入るつもりなら別だけれど、知人が休暇で出かける正確な日をわかったところで、得るものはないですよね。

 Rule082 かばんはすべらせる

 もし、私が未来の夫となる男性を探しているなら、空港へ行ってセキュリティチェックを通り抜ける人々を観察するでしょう。この手順をきちんとやり遂げられる人なら、絶対に結婚に向いていると思うからです。セキュリティチェックに向かう状況はさほど悪くありません。少しばかり人が密集しているときもありますが、全体としてはかなり整然と手続きが進みます。乗客は長く伸びたコンベアーベルトを使い、X線撮影の機械に向かって荷物をすべらせます。

 でも、チェックを終えたエアサイドでは何もかも急に機能しなくなります。乗客がX線の機械の出口に殺到し、自分の持ち物をつかんで、かばんが出てきたとたんに荷物を詰めなおそうとするからです。人々が金属探知機を通る方が荷物がX線装置を通るよりも早いことにくわえて、たいていの人がふたつ以上の物を待っているという厄介な問題があります。かばんから取り出したノートパソコンがあり、別のトレイにはスプレー缶とかベルトと言ったものがあるのでしょう。もし、国内線での決まりをまったく知らない旅の初心者なら、さらに別のトレイにあらゆる液体の入ったボトルだの洗面用具だのを投げ入れているはず(初心者に注意しておくわね。液体類をトレイにいれなきゃならないのは国際線だけ。ああ、それから500ミリリットル入りのゲータレードとかアイスティとかビタミンウォーターとかを急いで飲まなくてもいいんですよ。持っていけるから。セキュリティスタッフの人たちも意地悪ですよね、ぼんやりと立ったまま、そういう間抜けな人たちが500ミリリットルの液体を一気飲みするのをほうっておくのだから。飲み物はもって乗れますよ、と知らせてあげればいいのに。列に並んでいないみんなにとっては、さぞかしおもしろい見世物なんでしょうね……)。

 これを解決する方法は、すべらせるように荷物を動かすこと。あなたは金属探知機を通り抜けたら、かばんや持ち物をつかんで前方へすべらせます。詰めなおしたり、分類したりはせずに、表れた荷物はなんでもせっせと先へすべらせるんです。

マナー違反の人を見たら

 こんなふうに自分だけでルールを決めると、自然と無作法な人を許せるようになります。だって、「ああ、物を知らないんだな」と思えるから。

 自粛警察が話題ですが、世間にさばいてもらおうとしないで自分はああすまいと決めるだけでもラクになれますよ。ぜひあなたも考えてみてください!

ページトップに戻る

じんぶん堂は、「人文書」の魅力を伝える
出版社と朝日新聞社の共同プロジェクトです。
「じんぶん堂」とは 加盟社一覧へ