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紀伊國屋書店で開催中のブックフェア「今こそ読みたい人文書セレクション」 各社のおすすめを紹介します

記事:じんぶん堂企画室

店頭に置かれたブックフェアの小冊子
店頭に置かれたブックフェアの小冊子

飼いならす──世界を変えた10 種の動植物』(明石書店)

 狩猟採集民だった人間(ホモ・サピエンス)が、野生の動植物に手を加えて飼いならす(家畜化・栽培化する)ようになったことで歴史が変わったとする視点から人類史を読み解いた学際的ノンフィクションの傑作。
 「飼いならし」がどうして可能になったのか、起源からの歴史を解き明かすとともに、「飼いならし」によって自然や生態系に対する影響力を持ちすぎてしまったわれわれ人間の今後とるべき方向を模索する、現代人の必読書ともいうべき一冊です。

チョンキンマンションのボスは知っている──アングラ経済の人類学』(春秋社)

 香港のタンザニア人ビジネスマンの生活は、日本の常識から見れば「まさか!」の連続。交易人、難民をも巻きこんだ独自の互助組合、信用システム、SNS によるシェア経済…。既存の制度に期待しない人々が見出した、合理的で可能性に満ちたありようとは。アフリカの零細商人の行動調査から新しい価値体系を探究する注目の文化人類学者が贈る、閉塞した日本の状況を打破するヒントに満ちた一冊。2020「大宅壮一ノンフィクション賞」・「河合隼雄学芸賞」ダブル受賞!

原子力時代における哲学』(晶文社)

 1950 年代、並み居る知識人たちが原子力の平和利用に傾いていくなかで、なぜハイデッガーだけが原子力の危険性を指摘できたのか。その洞察の秘密はどこにあったのか。ハイデッガーのテキスト「放下」を軸に、ハンナ・アレントからギリシア哲学まで、壮大なスケールで展開される、技術と自然をめぐる哲学講義録。ハイデッガーを検証することは我々自身を検証することである。3.11 に対する哲学からの根源的な返答がここに。

二枚腰のすすめ──鷲田清一の人生案内』(世界思想社)

 「こんなに面白い本はない」横尾忠則さん(『朝日新聞』2020 年7 月4 日)。
 「悩みを解決するだけじゃなく、その後どう生きていくかまで指南してくれているのがとてもいい」中江有里さん(NHK 総合「ひる まえほっと」2020 年9 月9 日)。
 「珠玉の言葉が詰まっています」出口治明さん(FM 大分「APU 学長 出口治明のおススメの1 冊」2020 年7 月25 日)。
 哲学者が答える71 の悩み。相談の面白さに笑い、回答の意外性に驚きながら読み進めるうちに、ことばに刺されて、鷲田流の人生哲学が身につきます。

ひと目でわかる 心のしくみとはたらき図鑑』(創元社

 最先端の心理学の知識をカラフルな図解で! 「心って何?」から始まって、心理学の歴史、心のしくみと働きをあらゆる領域にわたり解説した、これまでにない楽しく面白い心の図鑑。人間の不思議な行動の意味を理解するための基礎知識だけでなく、心の病とその治療法についても、ビジュアルでここまで簡潔に分かりやすく網羅している図鑑は他にない。心理学に関心のある人、心の不思議に関心のある人たちに是非お薦めしたい一冊。

生き物が大人になるまで~「成長」をめぐる生物学』(大和書房

 口の大きさを競い合うカバ、じつは上手に泳げなかったカワウソ、大小2つの種を持つオナモミ、“ 踏まれたら立ち上がらない” 雑草――。
 生き物たちが厳しい自然界で大人になるための、あっと驚く知恵と戦略を、親しみやすいイラストとともに紹介しています。「ユニークでおもしろい生き物の生態について読んでいるはずが、いつの間にか自分や子どもの成長について考えさせられた」と、子育て本、教育本としても読まれています。

教養の書』(筑摩書房

 向学心に燃えて大学に入ったものの、はて、そもそも何をどう学んだらよいのか分からない。そんな新入生諸君にむけ学ぶことの意味と方法をイチから説く人気講義を書籍化しました。たんなる知識を超えた教養の核心をエンタメ映画を素材に軽妙に示したうえで、本物の教養を身につける術を、ベーコンのイドラ論や認知心理学、論理学を自在に用いて伝授。うっすらでも自分がバカなんじゃないかと気づいたら読んでほしい、現代版「学問のすすめ」です。

ホモ・デジタリスの時代── AI と戦うための(革命の)哲学』(白水社

 1968 年5 月革命以後の「世界史の構造」を、フランスを代表する経済学者が総括!
 SNS が分断を生むのはなぜか、GAFA とはどう付き合うか、AI 革命で人間の仕事はどうなるのか……デジタル社会における「経済成長」の真実に迫る。博覧強記の要約力で名著から最新論考まで紹介し、新しい人文学の必要を説く。「個人情報」に紐づく、Netflix など動画配信の問題も考察。思考が整理されて、読むと頭が良くなる本。

哲学トレーニングブック』(平凡社

 哲学者が哲学について悩んだ末、その愉しみを再発見していくというプロセスを、哲学書を読むという行為を通して示したのが本書。本書にも登場する大森荘蔵が、以前、哲学とは一種の「病気」であると言っていた。普通のことが普通のこととして了解できなくなることを彼一流のやり方で表現したものだが、この本の著者も、この了解を深く共有しており、「実存的苦しみ」を共有する者たちへ温かいまなざしをむけている。「退屈」と「孤独」を越え、「哲学書を読む者たちの共同体」を目指す!

論点・西洋史学』(ミネルヴァ書房

 あなたなら、どう考えますか?――本書は、古代から現代に至る西洋の過去に関して、真実=正解を求めて幾通りもの主張が戦わされている「論点」だけを集めた1 冊。「論点」に触れ、主体的に思考することで、歴史学ならではの醍醐味が味わえます。各項目は〈史実〉〈論点〉〈歴史学的に考察するポイント〉の3 パートから構成され、語句説明やクロスリファレンスも充実。世界史の知識がなくとも理解が進む工夫が満載です。

*各加盟社のおすすめコメントなどを収録した小冊子をフェア開催中の店頭で無料配布しています。また、紀伊國屋書店のイベント紹介ページでも、小冊子のデータを公開中です。ぜひご覧ください。

フェア開催店舗

紀伊國屋書店
 新宿本店 11/20(金)~ 12/20(日)(TEL 03-3354-0131)
 梅田本店 11/16(月)~ 12月中旬予定(TEL 06-6372-5821)
 広島店  11/20(金)~ 12月末(予定)(TEL 082-225-3232)
 札幌本店 11/20(金)~ 2021/1/20(水)(TEL 011-231-2131)

※開催期間は変更となる場合があります。各店舗へお問い合わせください。

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