へぇ~なるほど!が止まらない、科学ネタ満載のお酒ガイド『お酒を120%楽しむ!』
記事:東京化学同人
記事:東京化学同人
「ビール!冷えたいつものヤツ!というとりあえずビール派でも、ビールの温度には注意しましょう。0℃といった冷やしすぎは禁物です。ラガービールの適温は4~8℃です。これに対しエールはその香りがよくわかるように、それほどは冷やしません。10~12℃くらいでしょうか。スタウトなど、モルトの甘みを味わう場合はもう少し温めの15℃くらいが良いですね。このように香りを味わうか、苦みを感じたいかで、ビールといっても適温が違うのです。」
ビール以外にも、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、ブランデーなど、世界各地で飲まれてきたさまざまなお酒があります。どれもアルコールを含む点は同じですが、その味わいや香りなどの特徴は、原料と造り方の違いで決まります。
原料は米、芋、ブドウ、小麦などさまざまです。造る工程を見比べると、酒づくりではおおむね酵母が主役ですが、日本酒と焼酎ではコウジカビの力も借りてさらにひと手間かけていることがわかります。そうした原料、製法の違いがお酒のバリエーションを生んでいます。
それぞれのお酒がもつ飲み口や香りを最大限に味わうために、お猪口やグラスもいろいろな形状のものが作られています。そんなことも知って比べてみると楽しいかもしれませんね。
Q.なぜビールは水よりもたくさん飲めるの?
「ビール500~1000 mLは一息に飲めますが、水だとせいぜい250~500 mLしか飲めません。時間をかければアルコールの利尿作用も加わるのでビールのほうが圧倒的にたくさん飲めます。
理由は、胃にアルコールが入ったという刺激で胃からガストリンというホルモンが出て胃の運動が促進され、胃から腸へ内容物が送り出されて胃がすぐ空になるという説が有力です。ビールの成分がガストリンの分泌自体を高め、加えて消化管の運動も活発にします。」
Q.お酒を飲むとトイレが近くなるのはなぜ?
「アルコールに尿生成を高める効果(利尿作用)があるためです。…脳から出る抗利尿ホルモンのバソプレッシンは尿量を減らして、濃い尿を出させるようにしますが、アルコールはこのバソプレッシンの働きを抑えるため、お酒を飲むと尿量が約1.5倍に増えます。
体から水分が尿として失われると、結果的に体が脱水症状になって尿量が減り、含まれる黄色い色素(ウロビリノーゲン)が濃くなります。尿の色が濃くなったと思ったら水分を補給するようにしましょう。
ただし必要以上の水を飲むと血液が薄まってしまうので、飲んだお酒と同量程度の水分量を目安にします。水の代わりにビールを飲む人がいますが、これだと脱水がさらに進むのでダメです。」