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性とは何か、愛とは何か。化学でみる写真集。 『愛と分子:惹かれあう二人のケミストリー』

記事:東京化学同人

惹かれあう異性・親子の間を結んでいるのは分子だった。 画像:K-Mookpan/Shutterstock.com
惹かれあう異性・親子の間を結んでいるのは分子だった。 画像:K-Mookpan/Shutterstock.com

 英語で “Chemistry" というと、皆さんは「化学」を思い浮かべると思います。ところがあまり知られていないもう一つの意味があります。

 それは二人の相性や親和的なよい関係のこと。

 たとえば "There's no chemistry between that girl and me" は「私とあの娘は相性が合わないよ」という意味になります。

 そもそも “Chemical" は化学分子の結合や親和性などを意味しますが、確かに一人一人を一つの分子とみなしてみると、ある相手とは親和性が高く距離が近くなり、ときにはくっつき合いますが、ほかの人に対しては、どうも相性が合わず、遠ざかるなど、まさに分子間の動きに似たものが想像できます。

 このように比喩的な意味で用いられていた “Chemistry" ですが、実際、体の中や脳の中で「分子」が動くことで、個体どうしのつながりが生まれてくることがわかってきました。

 近年の分子や遺伝学の解析手法の発達や、ほんの微量な分子の濃度を測定する技術の革新によって、心の側面、特に「二人」を絆ぐようなもの、たとえば親子の愛情や異性への想い、絆の形成など、愛情に関する分子がいくつか明らかになってきました。

 たとえば、ヒトや動物どうしの間で取交わされる、愛情の伝達に使われる分子(シグナル分子)や身体の中で働く分子(神経伝達物質やホルモン)などがつぎつぎと発見、公表されています。これらのことは、これまで心理的に捉えられてきた「愛」が、実はさまざまな「分子」に操られた生物のもつ反応の一つであることを示しています。

 そしてその分子が解き明かされることで、「愛」の起源に迫ることができるでしょう。まさに「愛と分子」の研究の幕が開いた、といえます。(本文より)

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