韓国でベストセラー 無礼な人の「取扱説明書」 チョン・ムンジョン『無礼な人にNOと言う44のレッスン』
記事:白水社
記事:白水社
日本の読者の皆さん、こんにちは。チョン・ムンジョンです。皆さんとこうしてつながることができ、うれしく思っています。
社会生活を送っていると、しばしば無礼な人に会いますよね。そんなとき、どうしますか? 私も以前はそういう人たちを避けるだけでした。神経質な人だと思われたくありませんでしたし、私さえ我慢すればすべての人が平和でいられるはずだと思ったからです。でも、そうではなかったんですよね。無礼な人たちはそのことを指摘された経験がないので、その無礼さがさらにエスカレートして、被害にあうのは私だけで終わるのではなく、ひっきりなしに多方面に拡大していったのです。そうしているうちに、私の心は抑圧され続け、傷つき、自信をなくしていきました。周囲に気を遣いすぎてしまい、自分の心をケアする余裕がなかったのです。傷ついて弱った自分の存在を確認するために、言いやすい人を見つけては当たり散らしていました。
特に韓国は権威的で男性中心的な社会であるため、その雰囲気の中では女性たちが自己表現しづらく、断ったり拒否したりすることもうまくできません。また、女性たちは「善良な女」になれ、という無言の圧力を受けて生きてきたため、適切な方法で不快な気持ちを表現する練習ができなかったことも大きく影響しています。
私はそのような問題に気づき、試行錯誤を経て自己表現のためのいろいろな訓練をしてきました。周囲を見回すと、過去の自分のように、心に傷を負い当惑する人たちがとてもたくさんいたので、そのような人たちに、より良い人生を送るための練習法を伝えたくてこの本を書きました。漠然としたなぐさめではなく、現実社会ですぐに使うことのできる具体的なチップを皆さんに渡したかったのです。
韓国で「カプチル」という表現がありますが、日本語ではそれを「パワハラ」というと聞きました。韓国と日本は特に企業文化やジェンダーの問題などで似ているところが多いのではないでしょうか。この本が韓国で多くの人の共感を得たように、日本の読者の皆さんの心にも寄り添えるものになれば幸いです。理不尽なことの多い日常生活の中で、葛藤を抱えながら耐えている人たちに、特に、問題の原因を自分のせいにしてしまうことに慣れた人たちに、この本が役に立つことを切に願っています。
チョン・ムンジョン
韓国で多くの女性に勇気を与えた『無礼な人にNOと言う44のレッスン』のプロローグを下記で「立ち読み」できます。
■目次
プロローグ 自分を傷つける人にもう我慢しない(こちらから立ち読みできます)
第1章 無礼な人に笑顔で対処する方法
第2章 ネガティブな言葉に押しつぶされない習慣
第3章 自己表現の筋肉を育てる方法
第4章 いい人をやめる
第5章 見過ごしてきた慣例にNOと言う