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80字の答えから、世界史のツボが見えてくる!──『80字世界史』

記事:大和書房

『80字世界史』祝田秀全著(だいわ文庫/大和書房)
『80字世界史』祝田秀全著(だいわ文庫/大和書房)

短く語り直せば、歴史の勘どころが一目瞭然!

 『80字世界史』の著者の世界史人気講師・祝田秀全先生は、「用語暗記では歴史の面白さはわからない」と常々説いておられます。世界史の面白さは、なぜ、どのようにと問い、その答えを探し、知ることにあるからです。

 そうした流れで言えば、世界史のツボを押さえた質問と、それに対する端的な答えを読むこと、自分でも短くまとめた答えを考えてみることで、歴史の理解が深まるのではないか……。

 祝田先生がそうおっしゃったことから、この本が生まれました。

 歴史上のできごとについて、要約することができれば、世界史の肝を端的に理解し、また、誰かに説明することも可能になります。

 なぜそれが起こったのか、誰がそれに関わったのか、その出来事がどこへつながっていくのか……世界史のいちばん「面白いところ」を質問への解答例を読みながら理解し、歴史をあらすじで語る力をつけられるのが、この本です。

 解答には、80字以内という制限が付いています。それが、この本のタイトル「80字世界史」の由来です。

 なぜ、そのような短い言葉で答える形式なのかといえば、それによって、大切なことだけを抽出し、「語りなおす力」が身につくだけでなく、世界史のポイントが自然に頭に入るうえに、より面白さのキモが見えてくるから。

受験科目としてだけでなく、一生ものの教養が身につく

 この本に掲載されている53の問いと答え、関連知識の解説を読めば、受験生なら、設問に短い文章で答える際の勘どころがつかめることでしょう。

 そしてもちろん、受験のための選択科目としてではなく、人生に必要な教養として世界史を学び直したい社会人のかたにとっても、歴史の要諦を最小限の言葉で理解できれば大きな財産となりますし、端的に語る力はアウトプット力を高めるのにも役立つかもしれません。

 たとえば、こんな設問と解答例をご覧ください。

 Q.シルクロードの環境を整備したのは、前漢の武帝だという見方がある。それはどういうことなのか、具体的に説明しなさい。

 A.武帝は張騫を中央アジアの大月氏に派遣して匈奴挟撃計画を提案。これを機にタリム盆地のオアシス諸都市を支配下に入れ、匈奴遠征後は西域への要衝となる敦煌郡を設置した。(80字)

 この解答例のなかには、だれが、いつ、なぜ、なにをしたかがすべて記されています。
それだけではなく、この出来事がどこに繋がっていくのかも、ほの見えていませんか?

世界史を俯瞰し、未来を見通す「目」を養うために

 「問い」と「答え」のあいだには、ヒントのような、出題のトピックに関連する知識や流れが、短い箇条書きのかたちで入っています。こちらも、世界史のポイントについての知識を整理し、おさらいするのにぴったりな内容です。

 ある時代に、どんなことが起きたのか? そしてそれは、どんな動きに繋がるのか? 世界はどのような流れで今、このときに至ったのか?

 現代社会は世界史の延長線上にあります。過去を知り、視野を広く持って時代と世界のつながりを俯瞰することから、今と未来を見通す視点も得られるでしょう。

 自分の言葉で歴史と世界を語りなおす知見は、本物の教養といえるでしょう。53のQ&Aを通して、まとめる楽しさ、知る楽しさを味わってみてください。

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