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ピンチを“面白く”切り抜ける乙女のサバイバルテクニック 『乙女のサバイバル手帖』五月女ケイ子に聞く

記事:平凡社

五月女ケイ子著『乙女のサバイバル手帖』(平凡社)
五月女ケイ子著『乙女のサバイバル手帖』(平凡社)

男女問わず、誰もが心に乙女の部分を持っている

――なぜ今、「乙女のサバイバル」なのでしょうか?

 5年前、「乙女の逆襲展」という展覧会で、夢みる乙女が、花を木刀に変え、誰にも媚びずまっすぐ前を見すえる、進化系の乙女像を作りました。そして今、災害やコロナなど、いろんな困難が降りかかる中、何かに頼らず、自らサバイバルしていくのが現代の乙女と思い立ちました。

――「乙女」に魅了される理由は?

 私にとっての乙女のビジュアルは、高橋真琴さんの描くキラキラな瞳の女の子。

 乙女がやらなそうなことをするギャップが面白くて、いろいろな「乙女パロディ」を考えてきましたが、昭和に憧れた乙女像は、現実では、女性がなりたい本当の姿とは違うと気づき、それから、乙女が乙女の殻を破るお手伝いをしたいと思うようになりました。「乙女」とは何かというと、時代錯誤と言われようとあのスタイルを貫く「譲れないものがある」ところで、男女問わず、誰もが心に乙女の部分を持っていると思っています。

「ファッション備蓄をしよう」(会社のサバイバルより)
「ファッション備蓄をしよう」(会社のサバイバルより)

――五月女ケイ子さんにとっての、人生の先輩的乙女とは誰ですか。

 黒柳徹子さんです。あの玉ねぎヘアは、ニューヨークに自分探しに出かけた徹子さんが、40歳過ぎに編み出した髪型だと知り、人生、これからだと思えたし、今も自らインスタを使いこなしたりと、楽しむことに余念がないところも、まさにスーパー乙女だと思います。

ピンチを「面白く」切り抜けることができれば、自分も周りもハッピーに

――過去の人生の最大のサバイバルを教えてください。

 子育てです。得難い幸福感を運んでくれると共に、ありえないことが次々に起こり、ようやく母親10歳ですが、未だに毎日がサバイバルです。子供を褒めていたら、子供も私を褒めてくれるので、それで乗り越えています。また、子供には人間の本能が凝縮されているので、対処法は大人の世界でも活用でき、この本にも生きているように思います。

「上司は『山の天気』」(会社のサバイバルより)
「上司は『山の天気』」(会社のサバイバルより)

――本の見どころと読者に伝えたいメッセージをお願いします。

 この本では、様々なピンチを、面白く乗り切るヒントがのっています。基本はネタ本ですから、笑っていただければよいと思っています。自分の思いを伝えた方がいい時代、娘には「怒ってもいいけど、面白く怒りな」と言うようにしています。ピンチを「面白く」切り抜けることができれば、自分も周りもハッピーになり、世界平和にさえなるんではないかとこっそり願っています。とりあえずは、おこもり時間にこの本を読んで脱力し、エネルギーを貯めてもらえればこれ幸いです。

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