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英単語アプリmikan PROに連携! 英語論文の執筆に強力な味方

記事:創元社

『基本編』との違いは?

 本書は、2017年刊『最新 英語論文によく使う表現 基本編』(旧版『英語論文によく使う表現』1991 年刊)の内容を補いつつ、さらに高度な学術的英語表現を収載したものである。その基本的構成は『基本編』と同様であり、 機能別に英語表現を分類し、用例や注釈とともに提示したものである。 ただ、『発展編』と銘打っているように、本書で取り扱うのは、高度な論証・論述を可能にする英語表現である。推論や仮定など抽象的で緻密な論理表現を収載している。建物にたとえれば、一階の基礎部分を成すのが『基本編』であり、本書はその上に重ねるべき二階、三階を構成するものである。

論理表現を豊富に収載

 さて、一般的に英語の学習には多様な目的と側面があり、英会話やビジネスレターの作成、等々、学生・社会人それぞれの必要性や自由な動機に基づいて学び楽しめばよいだろう。しかし、例えば、

仮に…だとしたら…という帰結が成り立つ。
…だと仮定すれば、なぜ…かを説明することができる。
~から仮定できることは…ということだけである。
仮に…が真ならば、論理的に…ということになる。

 あるいは

…であることは…であることの十分条件である。
~について言えることは、かなりの程度~についても言える。
…ということは正しいかもしれないが、だからと言って…ということにはならない。

 以上のような高度な思考を伴う論理表現を一体、学校でどこまで教えているだろうか。あるいは大学・大学院を出たのちに、ビジネス英語指向の強い実社会において知的興味とともに学術的英語表現を学ぶ機会はどこで得られるのか。大学、しかも現在は医学部で教育研究に従事している著者の胸に、このような感慨が迫ってくると安穏としていられず、これまで収集してきたデータをもとに、前編に引き続き本書をまとめ上げることになった。もとより、『基本編』と本編をあわせても、緻密で複雑な学術的表現を網羅することはできない。しかし、研究成果の国際的発信という機能の点では圧倒的に使用頻度の高い英語の豊かな表現力の一端を紹介することができたと思われる。

あらゆる分野の研究者に向けて

 『基本編』と同様に本書の目的は(本書の書名がそのまま語っているとおり)、英語論文に使う表現を提供することであり、きわめて単純明快な企図に基づくものである。しかしながら、本書の元となっている 1991年刊行の初版が25年以上にわたり多くの方々に利用され、そしてその多くが、最先端の研究成果を国際的に発信すべく英語論文の作成に取り組んでいる日本の研究者であること、しかも自然科学・社会科学の諸分野にまたがっていること、などを考え合わせると、その利用目的や使用範囲は著者の想像を超えて多彩であるように思われる。責任を痛感する次第である。

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