落語のキャラクターが教えてくれる生きづらい社会の歩き方
与太郎といえば、古典落語にしばしば登場する、間抜けな失敗をして周囲の笑いを誘う存在。ばかげた話という意味の「与太話」の由来でもあります。
著者である落語家・立川談慶氏は、「ボケの体現者たる与太郎のようなスタンスを取れば、生きることは楽になる。いまの日本人にいちばん欠けている感覚」とし、なすがままに生きる彼を手本にするポイントを、落語を聴いたことがない初心者でも理解できるように、やさしい言葉で楽しく解説しています。
「頑張る」「努力する」「偉くなる」「成功する」など、現代人がつい目指してしまうものは、古典落語の住人に全くない感覚。怒りや哀しみ、お金や異性、勝負事なども、いまを生きる私たちにはない処し方・捉え方をします。
とりわけ与太郎の場合、信じられないようなしくじりをしても、彼の愚直さに周囲がほだされていき、いつしか主導権を握った与太郎を中心に世界が動き出すのが痛快です。
こうしたユートピアを描く落語の世界観に触れることで、読み手は「窮屈な常識」というリミッターが外れ、日々の生きづらさが薄れていくような気分になるでしょう。
正面突破の正攻法を解説するビジネス書と180度異なる「与太郎ワールド」。皆さんも本書を読んで、江戸時代にタイムトラベルしてみませんか?
なぜ与太郎は頭のいい人よりうまくいくのか 立川談慶:著 日本実業出版社
40年余のフィールドワークが明かす、海への憧憬と畏怖
丹後・伊根の舟屋をはじめ、漁村の家々は海を向いて建つ。それはなぜか? 宮本常一に私淑した漁村研究家・建築家が、40年余の調査研究を通して、漁村空間の「海への信仰心」を導き出す。集住を活かした地域づくりなど、漁村復興計画に示唆を与える書。
漁師はなぜ、海を向いて住むのか? 地井昭夫:著 工作舎
多様な文化や言語や宗教が存在する世界で共存していくために
9.11、パリ同時多発テロ……「文明の衝突」と形容される事件はなぜ起きたのか。誤った歴史認識や煽動のおかげで、対立が激化させられているのではないか? 闘争と葛藤が繰り返されてきたヨーロッパ・中東の歴史を振り返り、世界の緊張を解くための処方箋を探る。
「文明の衝突」はなぜ起きたのか 薬師院仁志:著 晶文社
名作SFアニメを題材にして虚構が持つ現実への力を見直す
科学の発展を受け現実主義者はフィクションには意味がないといい、時に無責任で害悪でさえあるという。そうした態度は私たちの現実を貧しくしていると反論することができるだろうか? 名作SFアニメを題材にして、フィクション、現実、技術について考える。
虚構世界はなぜ必要か? 古谷利裕:著 勁草書房
こうやって人類は自然の摂理から脱線しました!
地球の歴史からすると、あっという間に現代社会を築いてしまった人類。進化の裏には自然の掟からの逸脱があり、それがもたらす矛盾はますます先鋭化している。それでもなお私たちには、真・善・美の追求が必要なのだ。人類のいない地球など退屈だと言い切る、ビバラ文明!
人類はなぜ短期間で進化できたのか 杉晴夫:著 平凡社
「自然治癒力」の謎にせまる、心とからだの関係の基本図書
『読者は自らを頼みする習慣を身につけ、起こりやすい病気に対処する簡単で安価な方法を知り、自分の能力に対して大きな自信がもてるようになるだろう。その自信が健康を守り、増進していくにための行動につながるに違いない。』(アンドルー・ワイル)
人はなぜ治るのか 増補改訂版 アンドルー・ワイル:著 上野圭一:訳 日本教文社
その成功を解読する
世界各地に熱狂的なファンを持つボーイズグループ「BTS(防弾少年団)」。K-POPに留まらずポピュラー音楽の歴史を塗り替え続けている彼らの根底にあるものとは? 音楽性やメッセージ性、社会との関わり――「BTS現象」を醸成する「なぜ」を捉える初の評論。
BTSを読む なぜ世界を夢中にさせるのか キム ヨンデ:著 桑畑優香:訳 柏書房
経理事務員がスターになるための秘訣は「気づき」。
会社の経営は創業するより継続するほうが数段難しい。その継続発展のカギを握るのが経理事務員の成長です。本書は1,500名以上簿記・会計を教えてきた著者が全国の中小・零細企業を経営する社長と会社を支える経理事務員へのメッセージです。
経理事務員は、なぜスターになれないのか? 佐藤克行:著 税務経理協会
強制しない、放置もしない 結果を出すリーダーの6つの力
メンバーを本気にさせるリーダーは、いったい何が違うのか? メンバーを支援し、一人ひとりの意志やアイデアを引き出し、チーム全体の価値に変換する― 今の時代に求められるファシリテーター型リーダーシップの高め方と職場での実践法を解説する。
なぜ、あのリーダーはチームを本気にさせるのか? —内なる力を引き出す「ファシリーダーシップ」
広江朋紀:著 同文舘出版
自分の頭で考えるとは? その奥深さを知るために。
心とは何か? ある/ないとはどういうことか 人は死んだらどこへ行く? よくよく考えると答えにくいそれらの問いを昔から哲学者は問うてきた。好奇心に導かれて人類が問いつづけてきた永遠の謎に、自分なりの答えを見つけるためにはどうすればよいか? 哲学的思考のはじめの一歩。
なぜと問うのはなぜだろう 吉田 夏彦:著 筑摩書房
実験や研究でここまでわかった 人間の食行動の驚くべき理由!
食べたい/食べたくない。そのどうしようもない欲求も脳をだませば制御可能。嗅覚心理学の第一人者が解き明かす本当に満たされるための食の科学。「食べる量を減らしたいときに有効なお皿の形」「エコバックを持参するとお菓子を余計に買ってしまう理由」わかりますか?
あなたはなぜ「カリカリベーコンのにおい」に魅かれるのか
レイチェル・ハーツ:著 川添節子:訳 原書房
浮気、DV、性的虐待等と自己保存本能の謎に迫る
信頼する相手からの裏切りによって刻まれたトラウマがいかに多くの人を黙らせ、忘却させ、そして壊すか。傷ついた魂を回復に導く希望への道とは何か。数多くの聞き取りと研究により明らかにされる驚愕の実態。 亜紀書房 翻訳ノンフィクション・シリーズの1冊。
人はなぜ裏切りに目をつぶるのか—心の奥では知っているのに自分をだます理由
ジェニファー・J・フレイド、他:著 定延由紀:訳 亜紀書房