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昭和元年当時と令和の日本地図で見くらべる——100年の歴史を旅する『昭和100年地図帳』

記事:平凡社

昭和の日本全図(本書p.4-5より)
昭和の日本全図(本書p.4-5より)

2025年2月20日刊『昭和100年地図帳』(平凡社)
2025年2月20日刊『昭和100年地図帳』(平凡社)

小川琢治の日本地図帖

 本書のなかで昭和元年当時の地図として掲載しているのは、1924年(大正13年) に刊行された『日本地図帖』(博多成象堂)です。昭和元年ぴったりというわけではありませんが、当時にいちばん近い地図として採用しています。

関東全図を昭和と令和で比較(本書p.34-35より)
関東全図を昭和と令和で比較(本書p.34-35より)

 この『日本地図帖』を手がけたのは、小川琢治(1870~1941) です。小川琢治は京都帝国大学(現在の京都大学) で教鞭をふるった学者で、日本の地理学の発展に大きく貢献した人物として知られています。また、小川琢治の息子には、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹がいます。

 「私は多年地理学及び地質学の研究に従事するに当って適当な日本地図の無い為めに不便を感じ、終に自から繙読に便利なものを編纂する考を起して……」と序文で書いているように、『日本地図帖』は小川琢治が自ら企画したものです。明治以降、日本でも近代的な測量地図製作がはじまり、当時は民間による地図も生まれていました。しかし、日本全図や地域図といった一枚の地図が多く、日本全国を扱い、それを一冊にまとめた地図帳はほとんどなかったといいます。『日本地図帖』は、日本全国の地域を、百万分の一や五十万分の一といった地域のまとまりに適した統一縮尺によって表現されています。また、地図上の地名を検索するための索引もつけられており、まさに日本の国土を知るための地理情報がまとめられた、「地図帳」の先駆的な存在と言えるものです。

 さらに、『日本地図帖』では、当時の日本の全領土が対象とされているのも特徴です。台湾や朝鮮、樺太など、今とはちがう日本の領域が表されています。また、現在では失われた地名が見られるのも、面白いところです。

 1926年12月25日にはじまった昭和は、2025年がちょうど100年目。「昭和100年」を迎えます。この節目に、昭和元年当時と昭和100年(令和7年) の日本の変遷を、地図を通して比べてみてください。

昭和元年と令和7年の都道府県図、昭和元年の郡と町村、統計データ、年表を掲載(本書p.44-45より)
昭和元年と令和7年の都道府県図、昭和元年の郡と町村、統計データ、年表を掲載(本書p.44-45より)

テーマ図でみる昭和と令和、100年の変遷(本書p.154-155より)
テーマ図でみる昭和と令和、100年の変遷(本書p.154-155より)

『昭和100年地図帳』目次

日本全図 令和
日本全図 昭和

はじめに——小川琢治の日本地図帖

都道府県ページの見方

北海道全図 令和
北海道全図 昭和
東北全図1 令和
東北全図1 昭和
東北全図2 令和
東北全図2 昭和
北海道/青森/岩手/宮城/秋田/山形/福島

関東全図 令和
関東全図 昭和
茨城/栃木/群馬/埼玉/東京/千葉/神奈川

中部全図1 令和
中部全図1 昭和
中部全図2 令和
中部全図2 昭和
新潟/富山/石川/福井/山梨/長野/岐阜/静岡/愛知

近畿全図1 令和
近畿全図1 昭和
近畿全図2 令和
近畿全図2 昭和
三重/滋賀/京都/大阪/兵庫/奈良/和歌山

中国・四国全図 令和
中国・四国全図 昭和
鳥取/島根/岡山/広島/山口/徳島/香川/愛媛/高知

九州全図1 令和
九州全図1 昭和
九州全図2 令和
九州全図2 昭和
九州全図3 令和
九州全図3 昭和
福岡/佐賀/長崎/熊本/大分/宮崎/鹿児島/沖縄

東京都市図 昭和  
横浜・名古屋 都市図 昭和  
京都・奈良・宇治山田(伊勢) 都市図 昭和
大阪・堺都市図 昭和

テーマ図でみる昭和と令和、100年の変遷

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