はじめての石探し、その魅力とは? 『ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑』1・2
記事:創元社
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張り切って遠出しなくても、身近な水辺で実践できるのが石探しのいいところ。『きれいな石の図鑑』は・鉱物図鑑 ・石の見つけ方や磨き方 ・全国の採集スポット が一冊にまとまっているので、好みの石が見つかりそうな水辺を探すこともできるし、自分の家の近くの採集スポットを調べることもできるのです(『きれいな石の図鑑』1は鉱物図鑑34種/採集スポット23か所、『きれいな石の図鑑』2は鉱物図鑑21種/採集スポット47か所)。
そんな『きれいな石の図鑑』を参考に、行き先は自転車で行ける距離の野洲川に決定。写真で見る限り、ごく普通のどこにでもあるような川原だけど、本当にきれいな石があるのだろうか? 疑問を抱きつつ準備を始めました。
持ち物のページを見ながら、家にある新聞やビニール袋など、まずは揃えられるものだけを用意。ルーペやゴーグルといった本格的な道具はないけれど、最低限の装備はできたと思います。
のんびり自転車を漕いで気持ちよく辿り着いたのは、何の変哲もない、一面に小石が広がっている川原。ここで何が見つかるのだろう? ふつふつと期待が高まります。
しかし、ここで盲点だったことが一つ。私が立っていたのは川沿いの土手、本当に行きたいのは眼下に広がる川原。目の前なのに、石たちの待つ川原に降りるルートがわからない。石探しに行くなら、事前に川原までのルートを調べておくのが良さそう。この後、『きれいな石の図鑑』を読み返して地図を確認、ようやく川原に降り立ちました。
さあ、いよいよ石探し。でも、難しいことはありません。「なんかきれい」「なんかすごそう」、そんな直感でビビッと惹かれた石を集めていきます。夢中で歩き回ってしばらくすると、だんだん自分が好きなタイプがわかってきました。重みが増してきた袋の中を覗くと、小さな結晶がぎゅっと詰まった石やまだら模様の石ばかり。ほうほう、こういう石が好きなんだな。
それが何ものなのかもわからずに持ち帰った石たち。石探しから帰ったら『きれいな石の図鑑』と見比べてその正体を突きとめるのも楽しいポイント(わからないまま眺めて愛でるのもいいけれど)。
可哀想かと思いながらも、大きめの石はハンマーで割ってみることに。すると、おお、やはり、小さな鉱物の結晶がぎゅっと詰まっていてきれい。
透明の部分は水晶なのかな? 黒い部分はトルマリン?
気がつくと、ちょっと前まで川原に転がっていた石ころなのに、クッションを置いて飾りたいほどの愛着が湧いていました。
水辺を歩いて自分だけの宝石を見つける、川原できらっと光る石と目が合う、何でもないと通り過ぎていたものが特別な宝物になる。そんな石探しは素敵でおもしろく、自分の知らない場所にまだまだおもしろいものが隠れているという発見でもありました。
今回はターゲットを絞らずに出かけましたが、今度は目当ての石を事前に決めて川原で探す方法をやってみようと思います。
(創元社編集局 山下萌)