作家の村上龍さんが死去、74歳 「限りなく透明に近いブルー」
「限りなく透明に近いブルー」で鮮烈なデビューを果たし、「愛と幻想のファシズム」など現代の社会や政治の姿を鋭く見つめる作品を次々と発表した作家の村上龍(むらかみ・りゅう、本名村上龍之助〈りゅうのすけ〉)さんが17日、亡くなった。74歳だった。
1952年長崎県佐世保市生まれ。武蔵野美術大学在学中の76年、米軍基地に集う若者たちの乱脈な生活を活写した小説「限りなく透明に近いブルー」を発表。群像新人文学賞と芥川賞を受け、ミリオンセラーとなった。コインロッカーに遺棄されて育った青年たちの姿を追った「コインロッカー・ベイビーズ」(80年)で野間文芸新人賞。87年、日本を救うためファシズム社会を目指す政治結社を描いた大部の小説「愛と幻想のファシズム」を発表、同じ年に「ノルウェイの森」を出した村上春樹さんとともに「ダブル村上」と称された。
中学生に向けて、労働への関心を抱かせようと書いた「13歳のハローワーク」(2003年)がミリオンセラーに。朝鮮による日本侵攻を描いた「半島を出よ」(05年)が毎日出版文化賞と野間文芸賞を受けた。
自作「トパーズ」を自ら監督し映画化、06年からは経済トーク番組「カンブリア宮殿」の司会を20年にわたり務めるなど、文壇の枠を超えた文化人として活躍した。
朝日新聞デジタル2026年10月23日掲載