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小学生が『動く図鑑MOVE』の1日編集長を体験! 「“こどもの本”総選挙」の応募プレゼント

文・撮影:角田奈穂子(フィルモアイースト)

「動く図鑑MOVE」編集部に1日編集長が登場

 『動く図鑑MOVE』の1日編集長を務めるのは、「本屋さんが大好き」という小学6年生の鈴木陽菜乃(すずき・ひなの)さん。大人に囲まれて緊張ぎみの陽菜乃さんを、『動く図鑑MOVE』の森定泉編集長と編集部全員が温かく出迎えました。

 今回のプレゼント企画にあたって森定編集長らが悩んだのは、工程が多く、時間もかかる編集の仕事をどうしたら小学生に分かってもらえるか、ということ。とくに『動く図鑑MOVE』は動画のDVDを付属した図鑑のため、本の制作とDVDの撮影・編集という違うメディアの仕事が同時に進行しています。

 1日編集長の限られた時間のなか、編集部が絞ったのは、「読者に面白く読んでもらうため、図鑑のテーマをどう選んでいるのか」と「動画制作の際、どのように面白さを伝える工夫をしているのか」ということでした。

 まず取り組んだのは、動画を撮影する図鑑を決める企画会議。編集部のテーブルには『動く図鑑MOVE』の既刊本が積み上げられ、陽菜乃さんを中心に、会議は始まりました。今回は、新たに図鑑のテーマを探すのではなく、既刊本の中から陽菜乃さんが興味を持った分野をピックアップし、新作動画に落とし込むことになっています。

編集者が感じる「面白さ」が本作りの出発点

 22巻もの『動く図鑑MOVE』を前に、陽菜乃さんは、どの本を選んだらいいのか迷っています。そこで森定編集長は、「自分が興味を持ったものを自由に探してみて」とアドバイス。すべての本作りの出発点が、編集者が感じる「面白さ」にあることをさりげなく伝えています。

 『星と星座』のページをめくりながら、陽菜乃さんの手が止まったのは「蠍座」のページ。自分の生まれ月の星座ということもあり、じっくり読んでいます。

 「宇宙に興味があります」

 陽菜乃さんの一言で、撮影は星座の話になることが決まりました。陽菜乃さんと共演するのは、森定編集長が演じる科学者のドクター・モーリーとぬいぐるみのツッチーとノコ。ツッチーとノコは、森定編集長が好きが高じて山に探しに行ったこともあるというツチノコがモチーフ。今日の撮影のために、新しく作ったキャラクターです。

 撮影をするのは、別のフロアーにある会議室。『動く図鑑MOVE』を見たのは図書館でだけ、という陽菜乃さんに既刊のDVDを見てもらいました。そして、ドクター・モーリーたちがリハーサルを兼ねて、撮影の様子を実演。ドクター・モーリーたちのお茶目な姿や会話に陽菜乃さんも笑顔を見せるようになってきました。

 段取りを確認したところで、撮影開始。「何度も撮り直しできるからね」と声をかけられて、陽菜乃さんもほっとした表情に。陽菜乃さんは、実験を失敗したドクター・モーリーに突っ込みを入れる役です。

 「また失敗しているの?」

 絶妙な間合いで陽菜乃さんが話しかけました。それにドクター・モーリーが「編集長!?すいません、また失敗してしまいました」と答えると、ツッチーとノコも「えー?1日編集長?」と驚きます。さらに陽菜乃さんは、『動く図鑑MOVE』のページをめくるドクター・モーリーたちに、「その星座が載っているのは76ページでしょ」とタイミングよく突っ込みました。陽菜乃さんは一度で撮影のコツをつかんでいます。

 その後も何度か撮り直し、芝居部分の撮影は終了。図鑑と連動した動画を作るために、どれほど編集者たちが工夫を重ねているかを目の当たりにして、陽菜乃さんには撮影の楽しい雰囲気だけでなく、制作の苦労も伝わったようです。

後半は積極的な発言もできるように

 後半は陽菜乃さんへのインタビュー撮影です。歴史が好きという陽菜乃さんは、『動く図鑑MOVE』のテーマに「歴史ものとかわいい動物が出てくる本が欲しい」とリクエスト。積極的な発言が目立つようになり、森定編集長も「なるほど、面白い」とうなずいて聞いています。

 「MOVEはとてもいい図鑑なので見てください」と陽菜乃さんが視聴者へのメッセージを語ったところで、撮影はすべて終了。「お疲れさまでした」の挨拶とともに陽菜乃さんに拍手が贈られました。

 じつは『動く図鑑MOVE』編集部が、今回のような形で小学生を迎えるのは、初めての経験でした。「子ども向けの本を作っていますが、実際に読者と接する機会は少ないので、今日は私たちにとっても貴重な体験になりました。陽菜乃さんには、ぜひまた登場してもらいたいです」と森定編集長も得るものが多かったと言います。

 1日編集長登場の動画は、『動く図鑑MOVE』のホームページで公開される予定です。