江戸時代の人々がどのように死に備え、どのように葬られたかを、東京都の府中市郷土の森博物館で開催中の特別展「ご臨終」(3月8日まで)は紹介する。
「死に臨む」「彼岸に渡る」などの4章で構成。それぞれ「忌む」「葬る」などの小テーマからなる。
中でも府中で百姓代を務めていた内藤治右衛門家の当主だった重喬が残した日記や葬儀に関わる記録は、当人の遺言に従って何が墓に入れられ、何にいくらが支出されたのかがわかる貴重な史料だ。
江戸時代の人々も病気による死を避けるため、病気をもたらす「何か」を必死に避けようとしていた。
会場には伝染病の蔓延(まんえん)を防ぐ目的で村々を巡回した府中・大国魂神社の獅子頭や神宝の太刀「伊吹丸」などが出品されている。(編集委員・宮代栄一)=朝日新聞2020年2月26日掲載