思い通りにならない日々どう受け止める? 三浦綾子「一日の苦労は、その日だけで十分です」から考える 中江有里
9月、しんどかった。
10月、予想外に辛かった。
人生も野球も思い通りにはいかない。
阪神タイガース、2026年シーズンが終了した。
寂しいけど、ホッとしている。
毎日勝った負けたで、浮かれたり落ち込むことはしばらくないのだから。
いや、違う。
ホッとしているけど寂しいのだ! 野球のない日々はつまらない!
事実を羅列しても、本当の気持ちは表せない。
今季の阪神タイガースを書き表すなら、
「初のリーグ連覇を果たした。でもCSは敗退した」そして
「CSは敗退した。でも初のリーグ連覇を果たした」とも言える。
どちらも正しい。受け止め方は自由だ。
精いっぱいやっても、結果が伴わない。人生はそんなことの繰り返しだ。
私は今年、本を出して20年の節目を迎えた。しかし順風満帆だったわけじゃない。
上記のごとく書き表してみよう。
「本を出して20年目。大ヒットには恵まれない」自分で書くのは辛い。が、しかし
「大ヒットはないけど、本を出して20年目を迎えられた!」とも言える。
自虐的な事実が、前向きなカラ元気になった!
『氷点』『塩狩峠』などで知られる北海道出身の三浦綾子の最後のエッセイ『一日の苦労は、その日だけで十分です』。タイトルは新約聖書からとっている。
(今日の苦労は今日の分だけでいい)つまり(まだ来ていない明日のことを思いわずらわなくてよい)という意味。
そういわれても、明日の不安はなかなか消えない。
例のごとく、書き表してみよう
「今日の仕事だけでも辛いのに、明日はさらに辛そう」締め切りが続くとこういう気持ちになる。
しかしこう表せば気持ちは変わる。
「今日の仕事は今日の私担当。明日の仕事は明日の私がやってくれる!」
三浦綾子さんは24歳で患った肺結核のため約13年にわたる療養生活を過ごした。病との闘いの中、キリスト教の洗礼を受け、42歳の時に朝日新聞の懸賞小説に応募した「氷点」が入選し、作家として活動を始めた。
がんを告知された時のことを、こう記している。
「でもがんという病いを得ることで、人はハッと立ち止まり、命は限りあることを思い出し、生のなんたるか、どう生きるべきかを、考えることができます」
病いを得たことを「どう生きるべきかを考える機会」と受け止めている。
◇ ◇ ◇
明日の不安を解消するためには、準備をするしかない。
でもまずは今日の自分と向き合うことが必要だ。三浦さんのように。
阪神タイガースの来季はもちろん心配だ。
しかし今の状態をしっかり見つめなければ、来季にむけて適切な準備はできない。
今は長いシーズン戦いぬいた疲れを癒し、英気を養ってほしい。
ファンのみなさんも今季の応援お疲れさまでした!連覇してよかったね!