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漫画家ちばてつやさんが死去、87歳 代表作「あしたのジョー」など

ちばてつやさん=2025年7月15日、東京都練馬区、吉田耕一郎撮影

 1970年代の若者層に大きな影響を与え戦後漫画の金字塔となった「あしたのジョー」をはじめ、「おれは鉄兵」「のたり松太郎」などの人気作品で知られる漫画家のちばてつや(本名千葉徹弥〈ちば・てつや〉)さんが22日、骨髄異形成症候群のため、死去した。87歳だった。葬儀は家族葬で営んだ。喪主は妻幸子さん。後日、お別れの会を検討しているという。

 東京出身。1941年に一家で旧満州(現在の中国東北部)に移り、現地で終戦を迎える。46年に日本に引き揚げ、高校在学中の56年に漫画家としてデビューした。

 少女雑誌を中心に活動していたが、61年に野球漫画「ちかいの魔球」(原作・福本和也さん)で少年誌に進出。戦記物「紫電改のタカ」、学園物「ハリスの旋風(かぜ)」などを次々にヒットさせた。

 67~73年に原作の高森朝雄(梶原一騎)さんと組んで連載したボクシング漫画「あしたのジョー」は、闘いに命を燃やす主人公・矢吹丈の熱い生き様を描き、学生運動が盛んだった当時の状況も相まって社会現象に。丈のライバルである力石徹の死は大きな反響を呼び、劇作家の寺山修司さんらにより「葬儀」が営まれた。また、70年に日航機「よど号」を乗っ取る事件を起こした赤軍派のメンバーが、「我々は明日のジョーである」との声明を残したことも大きな話題となった。テレビアニメや映画が制作され、新国劇によって舞台化もされた。

 「おれは鉄兵」で剣道、「のたり松太郎」で相撲、「あした天気になあれ」でゴルフを題材にし、はつらつとしたスポーツ物を得意とした。

 戦後の過酷な引き揚げ体験を漫画や自伝でたびたび取り上げ、講演もした。平和と自由を守りたいという思いから、「共謀罪」に反対する日本ペンクラブの集会で発言するなど、表現規制への反対の声を上げた。

 60歳ごろに病気を患ってから創作活動を控えめにしていたが、2015年にエッセー漫画「ひねもすのたり日記」の連載を始め、21年に短編集が刊行されるなど、活動を継続していた。

 18年、手塚治虫文化賞特別賞を受賞。02年に紫綬褒章、12年に旭日小綬章、14年に文化功労者。22年に日本芸術院会員、24年に文化勲章に、それぞれ漫画家として初めて選ばれた。

 05年から宇都宮市の文星芸術大学で漫画を教え、19~22年に学長を務めた。18年から日本漫画家協会の会長を務めていた。

 次弟の故・ちばあきおさんは「キャプテン」「プレイボール」を代表作に持つ漫画家で、末弟の故・七三太朗さんも「風光る」「Dreams」で知られる漫画原作者。

朝日新聞デジタル2026年10月27日掲載